超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【とことんっ、までに救いがねぇ】高田崇史『QED 優曇華の時』

明日は備えをしに行く日ですね。

私は割と人の多い場所に行く機会が多い(時間は短いですが)ので

その備えは万が一がないにしてもしておくに越したことはありません。

 

 

 

 

QED 憂曇華の時
高田崇史

講談社 2019年11月08日

by ヨメレバ

 

 

 

 

おや…タイトルが。

サブタイトルがつかなくなったので

大型作品となります。

そのボリュームも事件の凄惨さも群を抜いております。

最強クラスだと思うのね。

 

鵜飼見物に行くはずであったタタルと奈々。

まあ、奈々がいる以上、事件というものは付いて回ります。

ある奇怪で、悲惨な事件が待ち受けるのです。

 

感想

今回の作品は…どこをどう取っても救いのない作品でしょう。

まあ、著者の作品というのはどこまでも救いがないのは

ここまでのシリーズを通して読んでいれば理解できることでしょう。

 

今回はその部門に関して言えば、群を抜いています。

この事件にかかわった人のもともとの血筋がそうさせているのも

あるのではありますが、それ以上に黒、これ以上にないぐらいの

どす黒い真実が我々読者の前に立ちはだかることになります。

 

事件は祭にかかわっていた人間を含め

次々と命を落としていったこと。

 

最初は殺された人たちには「ある種の因果」があったので

その線が疑われたのではありますがそうではありません。

これは中盤以降に明らかになるのですが

まあこの被害者の関係者「もうありえない黒事実」があるのですよ。

 

そのうちの1つは終盤も終盤まで明かされはしないのですが

勘のいい読者ならばありえない黒事実含めて

なんとなく察することはできるのではないでしょうか。

 

というか、時折タタルが絡めてくる、

安曇族に関するあまりにも悲しい事実を読んでいけば

何かこの関係者には波乱があるぞ、と読めてくるはず。

 

その事実は私たちが普段使っている何気ない言葉にも

でてきていたりします。

まあその中にはウブな奈々ちゃん(笑)にはちょっときつい

隠された部分のお話もありますが。

 

それとこの本にも実は某スマホゲーの登場人物が出てきます。

イラストが結構衝撃的なイラストで

一部の界隈を沸かせた記憶があります。

ただし文献上の扱いは…です。

 

本当にこの作品はいろいろとくるものがありましたよ。

先日読んだ悪い意味のくる作品とは

また違った、人間という生き物の業の深さを、ね。

 

おわりに

ここまでこの作品で完膚なきまでの真相を見せつけるっていうことは

この先の作品に不安を覚えるのは気のせい…

まあある別シリーズで奈々の持つ因果が分かっているので。

 

楽しみだけど、恐ろしくもある。

 

おわり