超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【祭りは恨み?】高田崇史「QED 諏訪の神霊」

明日、これ晴れるといいな。

明日もダメな場合、ステッパー第2ラウンドとなります。

もうそろそろちゃんとした有酸素させて…

 

 

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高田崇史「QED 諏訪の神霊」

QED 諏訪の神霊
高田崇史

講談社 2008年01月

by ヨメレバ

 

 

危険な祭の秘密

世の中にはたくさんの奇祭があります。

なんでそんなことまでするの…と思われるものも。

そこにはちゃんとした理由が隠されていたりもするんですよね。

 

今回は、危険だろと思われるあの祭りです。

御柱祭。

そこと縁のある土地で、タタルたちの旅の傍ら

連続殺人事件が起こるのです。

 

感想

この本は初の連作短編集をそれなりにでも読んでいれば

ニンマリできるかと思います。

なぜかというとタタルと奈々を案内してくれる長野の人の面々に

彼の同級生であった鴨志田翔一が登場するからです。

 

それとこの物語はあの毒草師とも少しだけ名前にかかわりがあり

漢字は違いますが少し読んでいると

あの冷徹な彼が思い浮かぶことでしょう。

そう、タタルのライバル(?)とでもいえるあの人。

 

そんな鴨志田翔一の近所の子とともに

彼らは御柱祭の秘密を探る旅へと出るわけです。

 

結構これは興味深い内容なのですが

このシリーズはあくまでも再読前提の者なので

あまり無理して詰め込むとその一方で出てくる

事件が入りづらくなります。

この部分も捨てがたいんですけど、取捨選択ですよね。

 

その中で出てくるのは、祭に秘められた

恐ろしいまでの事実ですね。

縁起物の一方で「恨み」というのも出てくるんですよね。

今回の旅の一方で起きる事件もまた

恨みが根深く出てくるんですよ。

 

祭りの意味合いを見てウヘァと思ってしまいましたね。

つまり、それはうかつに反抗できないようにするための

策略も込められていたということ。

だからこそ、危険極まりないものになっているんですよね。

(人の権力はきりないものよ)

 

その一方で事件はね…

まあこのシリーズは原則「読者がすっきりする展開」は

ないと思っていただいた方がいいです。

 

一応事件の真相はタタルが解決します。

余りのありがたい講釈に警察がうんざりするのもいつも通りです。

だけれどもたどる結末は胸糞です。

 

はっきり言えば「復讐」(複数人)です。

その殺人の前に実は御柱祭で死亡事故が起きています。

その事故には裏があったんですけれどもね。

 

そういうことです。

なぜそうなったかは言わずもがな。

でもね、それをあおった人間もいたのも事実。

出来事にifはないけど、せめて恨みがなければ

きっとこんなに残酷な事件は起きなかったはずだろうに…

犯人が見えてきたとき、切なかったよ…

 

そして鴨志田氏は今回も巻き込まれ体質です。

でもね、彼は確実に勇気のある男でした。

もしもそれをしなければ、ね…

 

おわりに

この作品は真相は知りたくなかった…

事件に関してはね。

1つ目の原因は引き金に過ぎなかったのでしょう。

でももう1つは…

いろいろと1つ目のそれできていてしまった犯人には

犯行をかり立てたに違いありません。

(でもあの住宅街、呪われてやせんかい?)

 

もうすぐ本編が終わります。

あと2冊で。

そのあとは外伝作品となります。

そこも読むからね。

 

おわり