超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【花見のはずが…壮大な名所巡りへと。】高田崇史「QED~ventus~ 御霊将門」

ちゃんと有酸素まじめにやってみた。

きちんと結果にコミットできそう。

 

 

f:id:misasaru:20191216092739p:plain



 

 

高田崇史「QED~ventus~ 御霊将門」

QED〜ventus〜御霊将門
高田崇史

講談社 2006年10月

by ヨメレバ

 

 

 

 

花見はどこに行った…?

QEDの後ろに何かが付く場合のシリーズは

原則、殺人事件が起きない作品となっています。

ただし事件は起きないわけではなくて

ちょっとした事件が発生することとなります。

 

一応、過去に出てきた神山禮子が出てきます。

一応こちら視点に明らかに不安な要素が含まれているので

今後…別作品で何かが起きそうな予感はします。

 

感想

花見についてその前の区切りで触れてないですね。すんますん。

一応当初の予定は花見だったはず、なのですが

タタルがいるとどうなるかって…?

 

何せ知識を大出しに(小出しではない)するのが大好きな

タタル先生でありますので花見で終わるはずがありません。

それはそれは壮大な旅になるのですよ。

平将門を巡る旅へとね。

 

何かと悪人で語られる(呪いの言い伝えとか多いですしね)彼ですが

仔細に彼のことを彼のゆかりの地を巡り、調べていきますと

どうやらそれが彼をよく思わない人によって

歪曲されているということがわかってきます。

 

まあこれって人はだれしも持つものだと思うのですよ。

そしてタタルたち一行と追いかけて行くたびに

「あれ、この人案外いい人じゃね?」と思うに違いありません。

 

あとは歴史的な状況によって

明らかに悪者としか見えないような状況にも

見えてしまうんですよね。

 

それはうわべだけ見てしまうと「悪い」にしか見えなく、

そうでないようにするためにはそれはそれは深堀りをする

必要性があるわけです。

 

でも人は興味がなければそんなことはしやしないでしょ。

知っても浅く…

そういう人の習性が彼を「あからさまな悪、怨霊」

としてしまったのかもしれませんね。

 

一応タタルたち以外の神山禮子の視点では

事件が密かに動きます。

一応これ、犯罪ですからね。

 

これもまた歪んでいます。

はじめこそただただ禮子を追っているだけのように見えますが

終盤、仕立て人の本性がむき出しになります。

まあこいつ勘助なんですよ…何気ない行動を誤解して

ついぞ狂ってしまうんですからね。

 

それと、最後には何か不穏な影が…

たぶん次読むときに何か起こるんじゃろうな。これ。

 

おわりに

実はこの作品、ある廃課金ゲームのキャラクターが

ゲーム中での名前と、歴史上の名前で出てきます。

将門の敵側としてその人は出てきますね。

(彼を討ち取りますからね)

 

なのでそのゲームをプレイしている人は

読んでも損はないと思いますよ。

 

あと意外なのは有名な馬追いに関しても出てきます。

なので意外と興味をそそる部分は多かったですね。

 

ただし、このシリーズは原則再読推奨。

多分著者もそれを意図しているのよね。

面白いから苦ではないけどね。

 

おしまい