ようやく体の異常はなくなりました。
本当、電解質大事。
まるまるの毬 講談社 2014年06月25日
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その菓子屋は…
実は、その菓子屋「南星屋」にはある秘密があったりします。
店主は治兵衛という人間ですが
…な秘密を持っているのです。
その秘密がある種この店の人気を
誇っているとみて差し支えないでしょう。
そして、そんな祖父を慕う孫娘、お君。
ちょっといい匂いがしてきそうな物語
読んでみませんか?
感想
…なんて紹介している私は、スイーツはあまり食べない人間なのです。
本当にごめんなさい。
というか節制を心掛けているせいか
基本的にスイーツを食べるのは客人として招かれたとき程度です。
あといただいた時。本当にまれですね。
ですが、この作品はほっこり温まるんですよね。
著者のテイストがそうなんだと思います。
そんな南星屋ははじめ禁制物を作っている!!
疑惑がもたれてしまい大変な目に遭ってしまいます。
治兵衛の必死の尽力により、何とか事なきを得ますがね…
それと、この時代のやるせなさを嘆いた一人の若者が
菓子職人になるべく、南星屋に弟子入り?!という事態も起きます。
なぜそういう決意をしたかは物語中で明かされることとなります。
メインどころは後半2つのお話です。
一応この2つの物語はつながりものになっています。
なぜならば、治兵衛どころではなく、
孫のお君にもかかわる大事件が起きてしまうからです。
これに関しては治兵衛とその弟の石海が持つ特殊な事情が
アダになってしまった事件でした。
だけれどもその地位を捨てたのは間違ってはいなかったし
文句を言われる筋合いはないのです。
後ろめたいことは、当人たちに一切ないのですから。
それを悪い奴は突いたのです。
理由も実にくだらない話です。
「嫉妬」ですね。
ただし仕掛けた側は明らかに細々とやっている南星屋よりも
規模は上なんですよ。
後ろ盾があるところですから。
でも、それに胡坐をかいていて
結局それにかかわる人たち(菓子職人)を大事にしなかったわけです。
(最後の物語に数回その旨があります)
そんなことをしている菓子屋がまず繁盛するか?
というと否、ですよね。
この愚か者は結局、醜態をさらして去っていきます。
その男は一生、なぜ自分がすべてを失ったかは
わからずに一生を終えていくのでしょうね…
おわりに
最後だけは暗いですし、実はお君にも暗い影があります。
彼女の母親は実は離縁しているのです。
しかも間女を作られてしまって…
それゆえにお君は父親の職業を恐ろしいほど憎悪しているのです。
この場面も考えさせられると思います。
真相は後々に明らかになりますが
それでも父親である修蔵は許されないことをしたのは間違いありません。
だけれどもちゃんと感想のように
きちんと彼らのひたむきな姿勢は認められているんですよね。
純粋にお菓子作りに向き合っていますからね。