超雑読と趣味と

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【なぜか、江戸時代へ…!!】那須正幹『ズッコケ時間漂流記』

怠惰の時間をとりましたが

臓器をいたわるために対策を。

よなべもあるから今日はこれ以上は無理。

 

 

 

 

那須正幹『ズッコケ時間漂流記』

ズッコケ時間漂流記
那須正幹

ポプラ社 1984年10月

by ヨメレバ

 

 

 

 

その鏡は時を行き来する…

タイムスリップものとなります。

表紙ですでに察しが付くと思いますが

三人組、なんと江戸時代へといってしまうのです。

 

むろんお約束の展開になってしまって…

 

感想

その時代の空気もきっちりと出ていて面白かったです。

実は三人組は無論その格好の奇抜さ(江戸時代ではねぇ…)ゆえに

侍たちに追い掛け回されてしまいますが

ある奇特な方に助けられることになります。

 

それが裏表紙に出てくる平賀源内です。

彼の助けを得てその時代に違和感なく

溶け込めるようになります。

 

この作品はタイムスリップ部分に関しては

とてもあっさりしています。

なぜならばむろんその後にまた追手が

三人組に立ちはだかりあわやとらわれそうになってしまいますが

大人の事情で救われることになります。

 

実は大事なのはこの部分。

ただし、子供の時分では終わりが見えても

ハカセはよく年代を推測できたなー…と思うでしょうし

ちゃんと帰ってきてよかったね、と思えることでしょう。

 

でもね、これは大人になって読むと

ちょっと事情が違ってくるのです。

実はこの時間旅行のいきさつには

まあ御察しの通りでハチベエがホの字だった若林先生が絡んできます。

 

まあタイムトラベル終了の後から絡んでは来ているのですが…

この中で若林先生が言っている発言、

実はとても矛盾していることなんですよね。

 

なのでその意味が分かってきてしまうと

とてつもなく運命というのは…と思うと同時に

切なくなってしまうのです。

 

これはこの本の後年に出てくる有名タイムトラベル映画にも

つながってきますね。

この作品では「時代に影響を及ぼしてはいけないぞ!!」と

警告しているのに関わらず主役がやらかすシーンが出てきますね。

そう、傍観者にしかなれないということ…

 

だからなお一層ね…

 

おわりに

でもなんだかんだで面白いシーンもありましたね。

江戸時代の枕ね。

純な心を持つモーちゃんはあの不便な枕で寝ようとしたのです。

私でも眠れんよ。硬そうだもん。

 

時間移動はその原則があるからなんか窮屈そうだな…

私は体験したくない。

 

おわり