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【廃墟と化した都市は、復活するのか】ブランドン・サンダースン「エラントリス(下)」

明日寒いんかーい。

明後日もか…

 

 

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ブランドン・サンダースン「エラントリス(下)」

エラントリス(下)
ブランドン・サンダースン

早川書房 2006年08月31日

by ヨメレバ

 

 

 

 

敵が迫ってくる…

シャオドによりエラントリスへと行く羽目となったラオデン。

だけれども彼はその状態になっても諦めはしませんでした。

 

しかしながら時折襲い来る苦痛が時に

彼をさいなむことがありました。

だけれども、彼はエラントリスの復活をあきらめることはなく…

 

感想

大作ファンタジーは久しぶりに読んだな、と思います。

私は悲しきかな、ファンタジーはあるマイナーシリーズと

映画化もされたシリーズ2作品でトラウマがあります。

(1つは同族嫌悪、もう1つはその映画化された部分の原作にはひどい描写があるので)

 

この作品もそういった表現はないわけではありません。

ついに小国に侵略を企もうとする悪の手が迫り

エラントリスの力を得たラオデンを完膚までに打ちのめす描写が

出てくるからです。

 

それによって心通じていた婚約者のサレーネとも離れ離れになってしまうのです。

彼が打ちのめされ、その絶望の殻に閉じこもる時にも

また、魔の手は着々とアレロンとテオド、2つの国へと牙をむくのです。

 

ですが、その絶望からラオデンを救ったのもまた

婚約者を救いたいと思う気持ちからだったのです。

満身創痍の彼が体を引きずりながらも行った行為によって…

 

実はその行為はエラントリスの滅亡でもあったことでした。

その文字はその文字によって、すべてを奪い取ったのです。

だけれどもラオデンの決死の行為は、エラントリスをまた

元の都へとよみがえらせたわけで。

 

そして一見すると悪役に見える人がいることでしょう。

実は本来の黒幕は別の所にいるわけです。

その悪役に見えた人は結局は自分が利用されていることに気づき

身を挺して本当の黒幕へと立ち向かったわけです。

 

その他にも物語中には犠牲が出ています。

そう、嫌われ役になったあの人もいますし

最後まで愚行を戒めなかったラオデンの毒親も…

 

この物語は確かにファンタジーです。

でもエラントリスの復活から、悪の手をはねのけるラストまで

なんか学ぶことがあるんですよね。

 

それは些細な1つの行動、

それが希望にもなるし、絶望にもなるということ。

明らかなる絶望にも勇気をもって立ち向かえば

拓けてくるということ…

 

おわりに

いい作品でしたね。

今は亡き人が書いた

超長編シリーズもまだ完全には読んでないのよね。

(完結はしたけど最後までは完訳されてないみたい

もう15年たつよ、訳はよ。)

 

諦めない心、そして勇気ある行動のあるファンタジーは

読んでいて、面白いよな。