今日からおよそ1週間、筋活してきます。できる範囲で。
さて、しっかり体作るぞ。
軽井沢・奥大井連続怪死事件 徳間書店 1991年05月01日
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これで、一応ラスト。
このシリーズも打ち切りかなにかはわかりませんがこれで終わりです。
雰囲気的にはどこまでも続きそうな感じでしたがね。
なんでかは何となく察しが付く気が…するのです。
感想
この作品に関しては、ワンパターンという感じはしませんでした。
大体において脅迫系が途中挟まれるのですが
今回は冒頭にさらっと出てきますが
そこで終わっております。
ただし、それとのトレードオフ(?)なのか
実を言ってしまうとこの作品、犯人は隠されておりません。
もうね、事件露見のきっかけとなる最初の怪死事件で
怪しい人が出てきちゃうんですよ。
明確に悪意を持っているんですよ、一見するといい感じに見えますが。
ただし、そいつは展開が進んでいくにつれて、
とてつもない鬼畜な面を見せてくるようになります。
はっきり言えば、欲の塊かつ女性の敵。
実際この悪魔は最初の怪死事件にかかわった女性を
実質手籠めにしているのです。
サイテーだよ、まったく。
事件の陰には交通機関の高速化に伴う犠牲が
見え隠れしてくるのです。
これは私の住んでいる場所の高速化、というよりは
別ルートができたことによって起きる弊害として
バス路線が消滅したんですよ。
しかもそれに親戚筋が何人か巻き込まれています。
正直言えば中途半端なところに行くために
その新規の交通機関ではつらたんなんですよね…
この事件の背景にもそういった日が当たらなくなるであろう
路線が見え隠れしてきます。
どうすればそれを打開できるか、ということで
いわゆる観光面で打開策を取ろうとするのです。
(まあある種の鉄道好きをうならせるものです)
物語中にそのあるはずのないであろう方式が出てくるところがあります。
当初は幻、で片づけられるのですが
実はそうではないんですよね。
それはあるわけで、実際に行われてはいたものの
表沙汰にはできない事情がありましたけどね…
そして連続して起きる怪死事件には
これまたそういった事業にまつわる、黒い事実が出てきます。
まあ黒幕は隠されてはいないので割愛しますが
最初の事件に使われる手段には、誤認させるような手法が使われています。
一応共犯者がいるのですが
その人は黒幕の犠牲となったやつです。
この黒幕は本当に鬼畜で、最後の最後まで高杉警視と遠藤君を
とことんまでに嘲笑ってくれます。
女性まで使ってわなを仕掛けてくるのですからね。
だけれども、欲にまみれて、女を泣かした
クソみたいな男も無論、警視たちの前に敗れ去ります。
当たり前でしょ。うら若き女性を食ったくせに
なんつうやつって感じですわ。
おわりに
ミステリーにしては作りが少々粗いんですよね。
この作品は倒叙という感じでもないですしね。
まあ鉄道がらみの作品、ということでしょう。
一応これでシリーズ読み終わりです。
また見かけることがあったら2周目と銘打って読むけどね。
印象が変わるかねぇ。