ちゃんと体を動かすのはいいね。
明日は少しだけ動かします。
 |
エラントリス(上) 早川書房 2006年08月31日
|
その変化は…
突如訪れた体の変化は
王子を平穏な日常から、地獄への日々へと
変容させることとなりました。
それは、王子であろうと、逃れられない運命。
彼はかつて栄華を放っていた都市、
エラントリスへと追い出されます。
その年はかつて栄華を誇っていました。
しかしながらそれも裏切りにより
終焉を迎えたのです…
感想
当たり前に遅れていた日常が一変して、
体の変容によって地獄のような日々へと変わる…
そんな事がある世界となります。
その王子(ラオデン)が起こした変化は
どうやらある種の血を引いているものにのみ起きるもの。
もしくは血を引いていなくても関係のある地にいると発現するようです。
いわゆるゾンビ化に近い代物ですね。
顔が死人の様な感じになるんですよね。
そして、傷が増え、耐えがたいものになるのです。
現実にラオデンは
確信をもってこの廃墟と化したエラントリスへの復興を
目指している途中でもこの傷に苦しむこととなります。
これはほかの仲間たちにも共通することです。
ただし、エラントリスは確実に絶望になり果てたわけじゃないんですよね。
その魔力の元となるアオン文字というのがあるのですが
ちゃんとラオデンは使いこなせているんですよ。
多少ではありますが。
それと、確かにほこりにまみれたものの、
きちんと整えることで、かつての輝きが
だんだんと見えてくるのです。
そして別の視点ではラオデンの元居た国を
何とかして支配しようとする魔の手が迫ろうとしています。
どうやらこいつら、どうもエラントリスの滅亡に
何らかのかかわりを持っているように思えるんですよ。
なぜかって?明らかに悪の権化ではないか?
と目される人間はラオデンの初めての仲間である
ガラドンが言っていたものを使っているのです。
それはガラドンがいうところによると「偽物」だそうなので
つまりそれを使っているとなると…?
それとこのガラドンも元農民とは言っていますが
それにしても知識がすごいんですよね。
これまた知的なラオデンと並ぶほどですからね。
一方の婚約者であった(?)サレーネの視点。
ラオデンの死(むろん死んでないよ!!)に
不自然な点を抱いた彼女は何とかして
悪習ともいえる寡婦の慣習に参加しようとします。
それと彼は本当に死んだのかを確かめるために…
この王女、ただものじゃないですよ。
女性だから～を言い訳にしない
芯の強い女性です。
剣術もやるし、政治にも参加する。
だからこそ敵であるある連中も
彼女は疎ましいんですよね。
何か起きないか心配になりますが…
おわりに
久しぶりのファンタジー。
なかなか良かったです。
少し脳内が変わったのかな。
この二人はいつ出会うのか、楽しみ。
