超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【その失踪、大いに裏あり。】西村京太郎「南紀白浜殺人事件」

天気が良いです。

ようやく来月にあるものの機会に恵まれます。

個人の自由でしょうが、他人への影響を考えたら。ね。

 

 

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西村京太郎「南紀白浜殺人事件」

南紀白浜殺人事件
西村京太郎

徳間書店 1996年09月30日

by ヨメレバ

 

 

 

 

意味ありげな脅迫の後…

結構この事件は背後にいろいろな闇や欲望が

渦巻いている作品です。

一見すると失踪後殺人に見えてきますが

実際はそうではないんですよね…

 

感想

結構読ませてくれる作品です。

なぜならば、この事件にかかわってくる人には

ある種の闇や欲望が絡んでくるからです。

 

それは失踪した女もそうです。

あるとんでもない秘密を抱えていますしね。

そして、その背後にはもっともっと黒い存在が

見え隠れしてきます。

 

なぜこんな回りくどいことをしたのか、というほど

事件は複雑に入り組んでいます。

つまり言ってしまえば「都合の悪いことは消してしまいたい」わけです。

 

特に関係者の中には

今のご時世、絶対に許しがたい行動を行った挙句

相手を実質殺した不届き物がいます。

実質殺した、というのは自殺を意味します。

 

その詳細は明言をこの感想文では避けさせていただきますが

やったやつは極悪非道ですね。

つまり言ってしまえばそいつは自殺を行わせた人間を

ただの駒程度にしか思っていなかったわけです。

 

でもそいつが清廉潔白を求めるフィールドに出るのならば

そんな黒い過去は消してしまいたいわけで。

そのために事件は引き起こされたわけです。

 

この作品は十津川警部が出てくるシリーズですが

彼は当初は事件に消極的で

その妻である直子が積極的に事件に関わります。

 

そいでもって事件の解決に一役買って出るのも

直子なわけなのです。

ただし、それは犯人に「あえてかかわる」という

もう自殺行為そのものでした。

 

まあどうなるかは想像通り、というわけです。

そりゃあそりゃあ恐ろしい目に遭います。

でもね…

 

これとは違う件で権力のある人(時にお金のある人)は

恐ろしいものだと思いましたね。

私は括弧書きの件で恐ろしさを感じましたね。

ある黒歴史がすっかり消されて出てるんですよ、その人。

おそらくカネにものを言わせているのでしょう。

あるボンボンのもみ消しと同じようにね…

 

おわりに

権力持つためには、汚いことを

強制的にクリーンにする必要がある…

でも、どこかにそれはほころびが出て

結局露呈するんですよね。

 

残念ながら、この本は奴らのその後は全く語られていません。

でも、さすがにただではいられないことでしょう。

もみ消すには、でかすぎることしましたからね…