超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【そりゃあ醜いものよ】山村美紗「京都鞍馬殺人事件」

結構天気が崩れるようです。

でも明日はムネ肉調理に使う調味料(大きめ)買いに行かなきゃ。

普通のスーパーだとサイズが小さいのよ。

 

 

 

 

京都鞍馬殺人事件
山村美紗

文藝春秋 1985年09月

by ヨメレバ

 

 

 

 

謎のコインから事件は…

それは未開封の缶が廃棄されている不自然な自販機から

発見されたコインでした。

 

それはとある流派の関係者が持つメダルでした。

どうやらこの流派も古典的なものを扱うだけあり

様々な権力争い、欲望が渦巻くところでした。

 

そして事件は起きたのでした…

 

感想

まあまあドロドロドロドロとおぞましいったらありゃしません。

なんで高人って欲望が渦巻くとこうまで醜くなれるのかしら。

 

きっと古典的な芸事というのは

ある種畏怖のまなざしで見られるものです。

実質庇護を受けているも同然の文化です。

 

なのでまあ悪くいってしまえば好き勝手し放題ということ。

この家に生まれついたらもう勝ち確なわけですよ。

すんごく元も子もない発言をしてしまえば。

 

この物語ではのちに殺害されてしまいますが

現家元は病床に伏しています。

 

まあ今言った通りもしも…ならばそれはそれは醜いほどの

次期家元争いが繰り広げられます。

 

現実それはそれはひどい描写でしたよ。

その関係者としてキャサリンとかつて付き合いのあった人が

この一件に巻き込まれる羽目となります。

本当いい迷惑ですよね。

 

事件の概要は今回は省きますが

明確な跡目争いが関係する事件です。

それとどうやら犯人は何かを察したらしく

途中有力情報を知ったであろう人間を消すという

狡猾な行為に及んでいます。

 

事件の真相は先代家元の殺人が

密室状況下で行われていたので

すごいことが…と思うでしょうが

トリックは単純だったりします。

 

それと実はキャサリンが犯人が使っていたもので

人物をすでに特定してしまっています。

状況とはまた違った事実ですが

私もこれで人を特定できたりするので

案外侮れない事実ですよ。

 

とにかく率直な感想は

守られている世界は、守られているからこそ

驕りたかぶりが平然と存在するんだな

と嫌な印象を抱いてしまいましたね。

 

おわりに

ドラマは何回か見たことがあるのでそのイメージとは違うかな。

奔放さ(事件を知るために法スレスレまで時にやる)が

読んでいて面白かったですけどね。

 

エンターテイメントとしてよい作品でした。