とても暑い日でした。
ちょうど明日トレ休の日にライトな限定のお酒を手に入れましたので
軽いノリで飲みます。(ストロングですらないよー)
動機 文藝春秋 2000年10月10日
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また濃厚な…
有名どころはこういうのがないと読む機会はありません。
まあそれを楽しみにしているといえば楽しみにしています。
今回の作品はまさに濃厚で、どっしりとくる読後感。
人間描写が濃くてドロドロしているのです。
でも苦手な人にこれはつらいだろうな…
感想
濃厚そのものの4作品。
その中でやはり一番目を惹いた作品は「逆転の夏」でしょう。
こう思うと希望のある作品に思えることでしょう?
まあ確かに、途中である事情でさえない人生を送ることとなった男に
莫大なカネがちらつき始めるのでそう思えるわけです。
だけれども、それは実は「復讐の駒の1つ」だったとしたら?
この計画的な復讐劇がこの物語のテーマの1つといっても
過言ではありません。
この金をちらつかされた男、実は罪を犯しています。
ただし本来は甘い誘惑にさえ乗らなければ、回避できたのです。
そしてこの罪が発端で彼は復讐される側となっています。
ですけれどもね、この作品は確かに復讐はなされます。
ですが…結局のところ完遂できずに終わるのです。
なぜかって?実を言ってしまうと復讐を遂行しようとした側にも
非があるのです。
(本来やることに尽力しなかった結果、取り返しのつかないことになったから)
ただし、1つだけはまだ希望があるかな。
明らかに非しかない、クソみたいな人間(これは駒にされた側)は
明確に制裁を受けたから。
これからもこいつは制裁を受け続けることでしょう。
他の作品もあるのですが、
やっぱり、この復讐がらみの関係人物の心の揺れ動きというのが
ひしひしと伝わってきたこの作品が一番でしたね。
あ、最後に出てくる作品も面白いですよ。
ある不祥事をしでかしてしまった男のお話ですが
その仔細には裏があって、実は男ははめられてしまったのです。
でもこの作品は希望を残しているんですよ。
確かにそれに関わった一人は非はあったけれども
それを種にした悪いやつはちゃんと罰を受けましたからね。
おわりに
なかなかディープな作品でした。
この文章の強烈さが、読者を
惹きつけるのでしょうな…