超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【さあ、恐ろしいことの始まりです…】米澤穂信「インシテミル」

ようやく雨も落ち着いてきました。

なので明日は有酸素行きとなります。

あ、明日中に行かないと。

まーた雨だよ。

 

 

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米澤穂信「インシテミル」

インシテミル
米澤穂信

文藝春秋 2010年06月10日

by ヨメレバ

 

 

 

 

 高額時給の危険なゲーム…

彼の作品はのほほんなあのシリーズ以来です。

ですがそれはこのサイトの前の時代のお話。

また読む機会に恵まれましたら再読しますね。

 

さて、この作品はですがそれとは打って変わってダークな雰囲気が

漂うものとなっております。

でも…

 

感想

いわゆる密室殺人ゲーム、といった感じでしょうか。

ただし、この暗鬼館ではルールにのっとって

7日間の期間を過ごしていくことになります。

 

だけれどもそこにはそれぞれの人物、12人ごとに

それぞれの武器が与えられており、

趣味の悪い解説がその武器には与えられているのです。

 

そして脱出することもできることはできるのですが

その脱出する時間にも制約が

かけられているわけなのです。

 

もちのろんのこと、この作品はミステリー作品です。

そして明らかにこの館の主は

殺人を犯せ、と意図しているものがあります。

なので、人殺しは当然のごとく起きるのです。

 

だけれども…制約がこの作品には存在し

殺人のみだりに行うこともできませんし、

このメンバー間には仕立て人を推理し、指定する権利もあります。

成功すれば報酬面にも加味されるため

それはそれは必死になります。

 

まあでもね…そんなに血走った描写はないんですよ。

だってその指定に失敗してしまえば

もらえるお金は半減しますし、

殺人に足が出てしまえば時給換算が悲惨なことになりますので。

(アルバイトの時給同様)

 

まあ登場人物は仔細には出さないでおきましょう。

一人、ただただ達観している人間が出てきます。

異様にね。異彩を放っており、頭脳も秀でています。

 

まあこの物語の語り手である結城も

まあまあ秀でてはいるんですけどね。

結果はまああれでしたが、彼にとってはそれもまた、

ちょっと異様な日常に過ぎなかったんだと思います。

 

そして、ラストには…

生き残った者たちが出てきます。

ハッピーエンドをたどったものもいれば

そうでないものもいます。

 

真の勝者に関してはね…

これ、何か恐ろしいものがあるよ。

その後が何も書かれていないからなおさら。

ある意味敗者なのかもしれませんね。

 

これが終わった後に

最初の部分を読んでみてもいいかも。

なんとなくですが応募した人、だれか

少しだけうかがえるような気がします。

 

 おわりに

途中に本格推理の名作がちらほらと出てきます。

好きな人はうぉーっとなると思いますよ。

私が推理小説を本格的に読むようになった

作家の名前も出てきましたし。

 

それらもいつの機会か、ここで取り上げたいですね。

また違ったアプローチができそうですもの。

 

おわり