超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【愛していたからこそ、喪失感が…】藤野千夜「君のいた日々」

明日はどうやら出られないっぽいです。

残念。でも別件があるのでお楽しみの購入だけは

できそうです。

 

 

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藤野千夜「君のいた日々」

君のいた日々
藤野千夜

角川春樹事務所 2013年11月

by ヨメレバ

 

 

 

 

 それぞれの視点の「愛する者の死」

読んでいるうちに違和感を覚えてくるはずです。

あれ?なんでそれぞれのパートナーが亡くなっているんだろう?と。

そう、それぞれの視点での「愛するものが死んだら」の物語なのです。

 

どちらの視点も感じ方が違うのです。

だけれども「とても愛していたんだ」というのは

伝わってくるはずです。

 

感想

夫側の視点、すごく切ない、切なすぎるなぁまったく…

なんとなくだけれども、妻が亡くなってしまうと

夫が早死にしてしまう理由がわかる気がします。

本当に、ホントーに夫側(春生)はことあるごとに愛した妻を思い出して

まあまあ泣いてしまうんですわ。

 

でもね、彼は元から泣き虫さんではあったんだけどね。

その原因は彼の姉にもあるんですけれどもね…

(まあ女は強し、というのはどこの家庭でもありがちですよ)

 

それだからか彼は、蛍光灯を取り換えることができないのです。

見かねて息子の亜土夢が「早く変えようぜ」と言ってはいるのですが

何か感じるもの(妻との想い)があるせいなのか、

まあまあ変えようとしないんですよね。

 

一方で妻側の視点はまた違った感じです。

ここ、男女うんぬん言うなと言われても差はあるんですよね。

もうすでに彼女はその環境を割り切って家庭教師といった感じの

仕事をしていますからね。

 

時に彼女を心配した強い春生の姉(笑)が時に行動を

共にしてくれることがあります。

そしてこれは夫側も妻側も共通なのですが

彼らを想う人がいるのです。

いろいろな意味でね。

 

でも…結末はわかりますよね。

強い絆で結ばれていたのがわかるように

たといそれは、死という形で関係性が切れても

やっぱり強固なんですよ。

 

明確にわかりやすい春生もそうですが

さりげなくもそこに愛を感じる久里子もまた、

絆が強固なんですよね。

 

 おわりに

この作品、実は印象に残る作品となりました。

実は、あるアーティストさんのマイナー曲(一応ベスト盤収録経験はあり)が

でてくるのです。

 

その曲、私はベスト盤で聴いた以来、すごい好きなんですよ。

内容が内容が故、あまり流行ることはなかったのですけどね。

(ある出来事ダイレクトだったから)

 

なんか切ない曲なんですよ。

この物語と同じくね。

それにピッタリくるような、そんな作品でした。

 

終わり。