あることで沈没していたため、紹介が遅れました。
マジあのメーカー絶許だかんな!!
NOVA 8 河出書房新社 2012年07月
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一部既読作品ありでした。
飛浩隆の作品のみ再読。(過去に中篇集を読んでいます)
だけれども、この作品はやがて来る未来を見ている感じで
なんだか印象的なんですよね。
いわゆる天才少女が生まれて、その後のお話と
少女が選ばれたものとしていく場所でのお話。
まあこの中篇集は連作でその後も書かれていますが
掲載されているのは初期の方。
でも、この作品もよかったけど、もっと面白いのもあるんですよ。
感想
時間停止ものである作品がすごく印象に残りました。
しかも当人だけかと思っていたら
どうももう一人時間停止の中にいるんですよ。
しかもそやつはどうやら良からぬことを行っているようで
いわゆるグ…おっとそこまでだ。
時間停止はよくよからぬ方面で使われるケースがあります。
まあその手のアレな作品はよく見かけます。
系統上好きではないやつなので見ませんが。
この作品の主人公はそうではなくむしろ危険な状況の場合は
戻したりしていますけどね。
で、怖いなと感じたのは
彼だけ時間は経過するので年ももちろん取るのです。
無論、ひげも伸びるのです。
でも、それで時間が動いても…
なんか不幸しかないんですよね。うん。
そして、メインともいえるのは東浩紀の
シリーズの完結ですね。
一応ひとまとめにしたものは別で出ています。
「クリュセの魚」というタイトルで。
まあ結果は予想できましたね。
元々書いている人がいわゆる哲学の方面の人なので
とっつきにくさはあります。
だけど麻理沙の存在概念を見る限り
望む展開は絶対ないなと思いましたね。
何をしても彼女を救うことはできないということ。
そして世界は望むようにしかならないということ。
うん、おそらくこのアンソロジーの中でこの作品は
同じくゴリゴリハードSFでおしてくる大先生の山田正紀と
同程度に解釈がしづらいと思うのです。
苦手な人はトラウマになるクラスです。
だけれども、なぜか読んでいていい、と思えるんですよね。
語彙力がなくて申し訳ないですが
読者に何も解釈させないという、決意のあるこの感じが。
大先生の作品はいわゆる電子の駒の処刑を受けた者たちを
救い出すという壮大な物語。
未来の革命という感じでしょうかね。
もしかしたらこういう時代、来るかもしれないかも。
だから興味深くもありました。
おわりに
今回は満足だったなー。ゴリゴリのSF分補給ができたし。
あ、もう1つおすすめの作家さんがいます。
友成純一の作品。
元々アレな小説の作家さんなのでエログロ描写には
本当に舌を巻きます。狂気を書かせたらピカイチだと思います。
次も楽しみよ。