超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【爆弾魔と…】桐野夏生「水の眠り 灰色の夢」

だんだんと感染の波がひどくなっていっていますね。

ただただ基本の対策しかできないということは

歯がゆいものです。

 

 

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桐野夏生「水の眠り 灰色の夢」

水の眠り 灰の夢
桐野 夏生

文藝春秋 2016年04月08日

by ヨメレバ

 

 

 

 

 爆弾魔と、奇怪な事件と。

この物語に出てくる連続爆弾魔は、その名前は知っていました。

私はそういうデータベースを閲覧するのが好きなもので

事件も、名前も憶えていたからです。

 

ただし、本と現実が違うのはこの事件は未解決事件なこと。

一応作中では犯人の目星とされる人が出てはきます。

(まああるいきさつで未解決扱いとなります。)

 

感想

多分著者の作品はお初な気がするんだよなー。

読書スタイル上、有名作家ですらフェアには扱われないからね。

何せわがままスタイルで読んでいるからめったに来ません、はい。

だからこういう風に当たるのは貴重ですね。

 

一応あるシリーズのスピンオフ作品のようです。

そのシリーズの主人公の父親がこの作品の主人公。

主人公である村野は彼のちょっと素行のよろしくない甥の連れを

送り届けたが故にとんだ事件に巻き込まれることになるのです。

 

その送り届けた、というか一時的に保護をした

タキという少女が、彼と別れた後に殺されてしまうからです。

無論殺害前に遭った村野に嫌疑がかかってしまうのです。

 

そして彼には悪いことに村野を快く思わない警察官がいました。

市川というやつなのですがこいつ、不良警官もいいところで

たまたまネタを得ようとしていた村野を手ひどく痛めつけるのです。

 

まあ彼はいわゆるスクープを種にする仕事をしていたわけなので

いちいち追っかけまわされるのは癪に障ったわけでしょう。

まあ彼の底意地の悪さはそれだけには済まず

犯人に仕立て上げようとまでしたわけです。

 

でも村野は無実だからたまったものじゃあありませんよな。

何とかして無実を晴らそうと危険がたくさん絡む(一応自由業の影もちらほらと…)

一連の事件の真相を追い求めるのです。

 

これだけだと草加次郎事件は絡みがないの?と思われることでしょう。

いやいや、そんなことはないんですよ。

ただし、その事実が結びつくのは本当に終盤となります。

真相(この本だけね)はここでは書くことはあえてしませんが

なんというか、人というものは良くも悪くも豹変するものなのだと

実感させられます。

 

メインの事件に関しては…正直読書時要注意です。

大変胸糞な内容が出てきます。

しかも今割と問題になっていることが出てくるので。

たぶん「鬼、悪魔!!」と叫びたくなるかも。

 

 おわりに

よくある雑読時にシリーズ系と判明したやつです。

ただ幸いにもスピンオフでしたので…

内容は暗いものの、サクサク読めるのは

著者の技量なんでしょうね。