急に着込んだら暑いんだけど…
上だけ半そでにするか…
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メディアファクトリー 2012年12月
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小鷹以外の視点のお話
この巻の付け方のせいか、
これだけ読まずにのちのち存在に気づくという
被害者が結構数見受けられる本です。
一応この本は最後の一部分に
本編の次の巻へのつながりが
示唆される表現があるので必読です。
それと、それぞれの登場人物の
本編では出てこない設定というのも
見えてくるので読まないと解像度が
広がってこないと思いますよ。
でも、ある人のしでかしたことは
かなりデカいけれどもね…
(でもその後の対応も実にすごい)
感想
結構ハードな経験をしている子がいます。
本編中で、一番小鷹と向き合ったあの子です。
そう、おとなしめではない性癖突き抜けガール
志熊理科です。
彼女はあまりにも才能が突出していました。
突出しすぎていたのです。
なので親御さんからは冷遇されてしまいました。
そりゃあ子供らしさがない子ですからね。
言い方が悪いかもしれませんが
純真さを見せるような子でなかったのは
確実だと思います。
そんな彼女は子供らしさ、を
作っていったんですよね。
だけれども作ったものです。
不自然なもんだから距離が開いていくのです。
これってどうにもしようがないよね。
この気持ちは私も似たような(私は天才じゃない)経験を
しているので痛いほどわかりますね。
なんだろう、ある性質のせいで浮くんですよね。
で、かくしてふるまい続けたら
精神をぶっ壊してまあまあ最近まで
死に続けていたというね。
なので今は隠していませんからね。
そういう苦労をしてきたからこそ、
まあスカポンタンたちの集まりだけれども
自然体でいてもツッコまれるだけで排除したりしない
隣人部は本当に安らぎの場所だったのでしょう。
そして、これもかな…
楠幸村のケースね。
彼女の家もまあまあ壮絶。
きっと男性というものの存在が
そこになかったこと、
そして女手一人で自分を育ててくれる
母親に心配を賭けたくなかったんだろうね…
だからこそ、ああなったんだと思う。
これも気持ちはわかる気がする。
まあ子供の時から性格に違和感はあったからね。
(ただし幸村のこのケースとは違うけどね)
いろいろな意味で
読んでおかないと損だな、と思った本でした。
おわりに
ちなみに表紙の意味はある名前呼び禁止の方の
視点のお話を読めばわかるはずです。
それとともに、小鳩がなぜああなったかも
きっとわかることでしょう。
思わずぶほぉっとなってしまいますからね。
最後が意味深だよな。
まさかそこにそんな状況が用意されているとは
思わなかったからね。
くれぐれも、このシリーズは
刊行順にしっかり読みましょうね。
(トリビュート本は任意かな、でもけっこう違和感なく読めるよ?)