超雑読と趣味と

そこに本があるだろ?ありゃあ読むのよ。

【本の厚みに世界を感じよ】平出隆『鳥を探しに』

今日は某動画で紹介された店舗に行きました。

超人気店ではありませんが地元では人気店。

本当ギリギリの時間で駆け込めました。

(あと数分遅れだと並びました)

 

 

 

 

平出隆『鳥を探しに』

鳥を探しに
平出隆

双葉社 2010年01月

by ヨメレバ

 

 

圧倒的物量に、溺れよ。

この本はページ数が圧倒的です。

なんと600ページ↑

しかも文章形式はQEDとかのやつと同じ形式の

文字えらいちっちゃい版。

 

おまけにルビごく少量。

なので読者の力量も試されることとなります。

 

先日別の詩人の方の本を紹介しましたが

その方と近いです。

なんでこの人たち、こういう文章書けるんだろうな。

とっつきづらいけど、キレイなんだよ。

文章が。

 

感想

この圧倒的な重厚感は読んだ人にしか

味わえないことでしょう。

 

主人公はこの物語の軸となる

左手種作の孫にあたる堅という男です。

この祖父はいわゆる学校にはほとんどいけなかった男です。

 

だけれども英語を巧みに話し、

翻訳も手掛けていました。

そんな彼の足跡を追うお話です。

 

文章形式は孫である堅が祖父の足取りを追う視点と、

その祖父が翻訳したり残した文献と交互に進んでいきます。

途中には挿絵も入っており、

それ含め1冊の壮大な作品となっています。

 

途中現実の視点では県の父親である森作が

病に倒れやがてその命の灯が消え去ろうとしていきます。

だけれども息子は祖父の足取りを追っていくのです。

 

そして父親の森作には

ある悲しい親子間でのトラブルがありました。

それは彼は双子だったのですが、

決して母親にはかわいがられることがなかったのです。

実は林作のほうは、戦争には徴兵されなかったわけで…

 

その間にひどいトラブルがあったわけですよ。

まあ時代が時代ではあるけれども

許されることではないと思います。

 

それがゆえに堅の父親は故郷を捨てたのだと思います。

親子間の根深い確執ですよね。

それと兄弟間ね。

 

現実に片方の林作のほうは

数えるほどしか出てきませんので。

 

あと、これはなんとなくですが…

この物語はフィクションではあるものの

実は著者の出身地がこの物語の地と一部重なるんですよ。

なのである程度は事実の部分もあると思うのですよ。

 

そして物語はやがて、

終わりを迎えていきます。

 

おわりに

この本、実質結末がないと思うんだよね。

多分祖父の「あるもの」に関してはこれからずっと

見つけることはできないと思うでしょうし。

 

それと祖父に遭ったある影に関しても

多分ネガティブなものではないとは思うのです。

ここまである種の学に一筋な人には

慕う存在はあってもそういうのはないと思うの…

 

世界観を感じる本というのがあるのよね。

この本もその1つだと思うな。