超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【知らないほうがいいこともある】入江曜子『溥儀』

明日はお休み日です。

うん、久しぶりにちょっと怠惰なことをしてみるかな…

 

 

 

 

入江曜子『溥儀』

溥儀
入江曜子

岩波書店 2006年07月

by ヨメレバ

 

 

 

 

これは…

多分知らない人が多いだろうな、と思います。

知っていることとすれば、清朝最後の皇帝の部分だけでしょうね。

その末期は本当に末期感が強いですもの。

これじゃあ衰退しますわね…って。

 

その先の彼の運命は…

 

感想

こうやって数々の本を読むといろいろな世界が広がっていくものです。

中には前に読んだ本とつながりがあって…という喜びも

見出せるのは面白いところです。

 

ですがね…この本は正直思ったのは

「こんな事実知りたくなかった」でしたね。

多分有名な映画のイメージもあるのでしょう。

(仔細には見ていないけどね)

 

なぜかといいますと、この物語で取り上げられている

この皇帝ね…人としての生活ができないんですよ。

え?冗談だろ?と思うでしょ。

いやいやいやいや、マジなのよ、マジのマジで。

 

ひどいケースだとボタンすらまともにかけられないの。

それとこれは彼の終盤の人生なんだけど

鍋つかみを使わずに素手で鍋持っちゃうの。

その後の展開はお察し…

 

つまり生活能力が致命的皆無なのよ。

それとあくまでも彼は傀儡としての人生を送ったから

世の中を渡るために権力におもねるという

悪い要素が身についていたのよ…

 

本当にこれは悲しい…

それと一部兄弟の仲も悪かったのよね。

彼には弟がいるのだけれども

仲は険悪だったからね。

 

まあこの弟に関しては彼の関係者が

昔々ある謎めいた事件を起こしてるんだ。

これに関してはこの本には出てこないけど

この弟は日本人と結婚してるのよ。

一応弟の名前で検索すれば出てくるかも…

 

それと結婚に関しても本当に不運だったのよね。

実は最初の妻はある薬物の犠牲になっています。

戦争の火種になってしまった阿片にね。

それと出自もこの奥さんはよくなかったのよ。

 

それとその後の結婚も年の差もあったし、

最後の結婚の後に実は溥儀は

腎臓癌にかかってしまうのよ。

これはこの本を読むまで知らなかった…

 

詳しくは説明できるだけの技量はないので

省きますが、日本にも裏切られ、

中国本土でもいわゆるヒーローとしての政治の道具に使われ…

彼は天皇であったがために不幸だったのかもしれません。

 

おわりに

思った以上にえぐられる1冊でしたね。

人が人らしい環境を得られないことが

いかにして不幸だということ。

 

ここには書きませんでしたがアレ事情も

出てきていて本当にエグかったです。

これじゃあ人間としても破綻するよ…

 

読書注意な代物。