超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【好奇心が招いた悲劇】スティーヴン・キング「ゴールデンボーイ」

明日は天候がひどくないといいなと思います。

ひどいと有酸素はできなくなります。

 

 

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スティーヴン・キング「ゴールデンボーイ」

ゴールデンボーイ
スティーヴン・キング

新潮社 1988年03月30日

by ヨメレバ

 

 

 

 

それぞれの、人模様

テイストの違った2作品が入っています。

先に出てくる作品は有名作品ですよ!!

なぜならば、映画化もされて話題になりましたもの。

(というか、キングの作品はかなり映画化されてるね)

 

実は私もこの最初に出てきた作品は

何の因果かこのようなことをする前にCS放送の映画で見たことがあります。

脱走のパターンを読んで「!!」となって思い出したのです。

 

次の作品は、ぞっとするんじゃないかな。

人が抱く気持ちがいろいろな組み合わせでアダになってしまった

悲劇ともいえる作品です。

 

感想

※1作品目の「刑務所の…」に関しては再読作品となります。

 

赤文字の通りです。どこぞのアンソロジーですでに読んでいました。

だけれどもこの作品は映像化も含めて読んでいるので

久しぶりに読んでも鮮やかだな、と思いました。

 

そしてそれと同時に、権威に狂ったものの醜さも

痛感しましたね。

この作品は脱獄したほうでない、彼と接点のあった男の視点で

書かれています。

 

彼は腐敗した刑務所に無屈せずに淡々とい続けました。

そしてたとえ、自分の冤罪を晴らすチャンスを刑務所の所長に

握りつぶされてもなお、希望を捨て去ることはありませんでした。

 

そして…あれです。

ただし事実の露呈時に少し映画とは違うかな、と感じました。

だからこそ著者の作品はすごいんだろうな。

 

そして、表題作ですが…これは本当におっかないです。

超常現象が起こるホラーではなく、人のおっかなさ

狂気を存分に感じさせるホラーです。

 

それは興味津々である少年トッドがある老人を

老人の持つ「弱み」を握りつつ訪ねたことから始まります。

この老人はとんでもない大罪を背負っていました。

あの大量虐殺の関係者だったから…

(一応忖度のため、名前は明確に出しません)

 

彼から語られる、それは筆舌に尽くしがたい行為を聞いて

目を輝かせるトッド少年。

それに耽溺していくうちに彼は知らずのうちにこの悪魔の老人と

秘密裏に契約を交わしたも同然でした。

 

そしてその悪魔はアメリカでは当たり前に持つことのできる

銃器というものに触れたとき、ムクムクとわきあがってくるのです。

 

はじめのうちは空砲の銃でおさまりをつけていましたが、

老人に恨みを抱くものが、老人を発見し

その老人を追求しようとしたときに…

 

もうすでに手遅れとなってしまったのです。

彼がどうなったかは…言わずもがなです。

 

現実のみのホラーっておっかないですよね。

「ドリームキャッチャー」の様なホラーも嫌いじゃないけど

こんなテイストのも嫌いじゃない。

(上の作品、また読みたいな。ある障害のある子がキーパースンなんですぜ)

 

おわりに

久しぶりにキングの作品を読みました。

彼の作品はどのテイストのも分厚いし、Fなお話もあるし、

ちょっとアレだけれども、文句なしに面白いんですよね。

 

またいつか読んだ作品もここで紹介したいなぁ。

長いけど、本当に夢中になっちゃうから。