超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

福永武彦「加田伶太郎全集」

どれだけ有酸素で燃やすことができるか。

それが問題だね。

でも買いこみ計画は今のままなら何とか回避になるかな。

なってください、はい。

 

 

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福永武彦「加田伶太郎全集」

加田伶太郎全集
福永武彦

扶桑社 2001年02月 

by ヨメレバ

 

 

【感想】

あっという間に読める本というのがあります。

それを巧みに使える人たちというのは

よく新聞に載るような本を書く人だと思います。

 

 

もっとも私は、読書のスタイルにそういうスタイルを

とっておりません。

なぜかといいますと新しいものを追うだけキリがないですし

情報を集めていくと偏っていってしまいます。

それは、私の身になりえないと思っているからです。

 

 

まあ、今回紹介する本は、それとは無縁ですね。

純粋に娯楽としての本です。

ここ最近はなかなか深い本ばかり出てきていたので

つかの間の休息、といった感じでしょうか。

 

 

大多数がミステリーで占められていますが

1作品のみ、SFが紛れています。

このSFはいわば通信を遮断するガスに巻き込まれて

しまったオーロラ号の乗組員たちの騒動記なのですが

不可解な終わり方をしているんですよね…

 

 

それもそのはず、本当ならばここに続くものがあって

その構想も著者は練っていたようです。

でも残念ながら、「ボツ」

うわー、読みたかったなー残念だなー。

 

 

ここからはミステリーのほうの紹介をしましょう。

結構楽しませてくれる良作が多いです。

一見するとえげつない事柄が起きたと思われたものの

とんでもない真相が判明するものとかね。

 

 

その作品が「湖畔事件」という作品で、

どう見ても絶望的な展開ですありがとうございましたな

状態なんですよ。

でも、思わぬ偶然からありえない事実が出てきます。

 

 

それはお楽しみですよ、教えるわけないじゃない(笑)

 

 

他には不可能犯罪ものがあります。

「温室事件」です。

一見するとどうしたって事件が起こせないような状況下なのです。

だけれどもその状況を逆手にとれる人が

実は紛れているということ。

 

 

ただこの作品はその精巧な手段も目を惹きますが

最後にたどる展開もまた目を惹くのです。

名作を読んだな、としみじみ感じましたとも。

 

 

ただし、ページ数は多めです。

まあ、面白いからその世界観に没入できれば

大丈夫かな。