超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

阿刀田高編「笑いの侵入者」

何とか無駄なものもすっきりしてきました。

今日は滞らなかったので

余計なものを摂取せずに済みました。

やったぜ。

 

 

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笑いの侵入者

阿刀田高 白水社 1990年01月
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【感想】

個人の感じ方というのは異なるものです。

ある人はその本を面白いといい、

またある人はその本をくそみそにけなしたりします。

地球上の人の数だけ様々な感じ方があるわけ。

(ただ本を読むのが好きでない人もいますからね)

 

 

で、私はひねくれものだと思っております。

この本の感じ方、間違っているだろう、お前と

いう具合にです。

でも、面白かったところがそこなのです、しょうがないです。

 

 

私がこの本を面白いと感じた部分は

「序文」です。

あれ?おいお前さん、本編始まってねーですよ。

何をのたまっているんですか?と。

 

 

いやいや、本当にその分が面白かったんですよ。

著者の名前は聞いたことがあるとおもいます。

ただ、終わりに着けられる名義は架空の人物ですが。

 

 

中身はユーモアの形をとっているけれども

なかなか面白いものなのですよ。

日本語と英語の法則性を解説したものです。

あくまでも専門的な体ではないのです。

 

 

なのですが…この作品は割と話題を呼んだがために

その界隈の大家に目をつけられて

ケチョンケチョンに非難されたのです。

だけれども、この大家完璧に嫉妬にかられましたね。

そこからは著者を尊重する人たちも増えて

彼のいる立場はある種消えてしまいます。

 

 

ちなみに、余談ですがこの問題のさなかにももう一人

嫉妬に駆られて著者の友人にあることないこと吹き込んだ

バカチンがいた模様です。

これも嫉妬が招いたこと。

もちろん悪事は後年ばれ、該当人物は索引の実績を

抹消されています。

 

 

序文だけで感想をかけるという謎な本。

ちゃんと紹介も多少なりとはしましょうね。

 

 

作品の中にはアッと驚く人も紛れています。

ミステリーの大家である西村京太郎氏。

ですが、この本中に出てくるのはミステリーではないです。

おっかないブラックユーモア的作品です。

 

 

女性問題をやらかしてとんでもない風習のある

離島に行った一人の医師の物語です。

ところが、そんな離島でここでは起きるはずのない

伝染病が蔓延してしまうのです。

 

 

何とか血清は手に入るものの、

人数分は届かないようで…

 

 

一連の出来事の後の真相部分を聞かされた時

絶対後ろを振り向きたくなりますよ。

なんだろう、ある種の憎しみがぶわぁーっと

出てくる嫌な感じ…それが文章から伝わってくるんですよ。

 

 

もう一つは女性の恋愛争奪戦を描いた

「雨の降ってた残業の夜」ですね。

おせいさんの作品です。

 

 

これね、二人の女心が出てきますが

目立つ方の行動は結果が出そうに思うけれども

すごく周りからは嫌われます。

よくスッキリ系のやつのネタに使われるぐらいですから

嫌われようはさもありなん。

 

 

そしてひそやかな方は…この人、根っからの

ハンターだと思うのです。

一番こういう女の人は

男の人は捕まえられないと思います。

というか、無理かも。

 

 

それは最後に彼女がとった行動で

わかることでしょう。

ものにできっこないって。

 

 

最後にテノヒラクルーの作品もあったりと

なかなかたのしませていただきました。