超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【ある種の思想は、罪の面もある】リチャード・ドーキンス『進化の存在証明』

明日こそ行くんだ。

そして今日は延長戦。

もうね、悔しいんだよ!!

 

 

 

 

リチャード・ドーキンス『進化の存在証明』

進化の存在証明
リチャード・ドーキンス

早川書房 2009年11月25日

by ヨメレバ

 

 

 

 

ある種の人たちへの反駁

あえてこの言葉を当てはめてみました。

と、いうぐらいにこの本は濃く、ハイレベルなのです。

 

一応私も生物系のはしくれとして

存在していた時期もありました。

で・す・が…その私でもさすがにこの濃さには

クラクラさせられてしまいましたね。

 

進化論を否定するある種の人に送る

ブラック要素もたくさん含まれた

とってもステキな(!!)本であります。

 

感想

こういう専門性を持っているのにユーモアのあふれる

文章を書ける人って尊敬しますね。

途中に詩なんかも入っている所、レアだと思いますよ…?

 

だけれどもね…読者側にしたら

正直たまったものではないんですよね…

しかも内容も高度なものがごっしょりと出てくるものだから

だんだんと私の大したことのない脳みそも

摩耗してきてあとは虚無状態での読書に…

(おいおい、感想を書く人にあるまじき振る舞いだぞ…?)

 

そのため、あまりまじめに読むとその文章に

ことごとくやられてしまうので

何か触れる!!と感じたところのみ意識して読む、

ということを心がけるのがこの本を楽しむコツでしょう。

 

幸いにもこの本は、文章オンリーではなくて

図解もふんだんに使われていますので

そこの点に関してはまだ救いがあると思います。

これが文章の羅列エンドレスだったら

このページ数です(本文だけども600ページ近くある)

見事に頭の中は焦土と化してしまうでしょう。

 

ですが、進化に関しての意義うんぬんよりも

私たちが負の面を被るもので

なぜしてはいけないのかの答えが出ているものがあったのが

非常に印象的でした。

 

なぜ耐性菌ができてしまうのかと

どうして処方された薬は飲み切らないといけないのか。

 

これのアンサーは敵(菌)に遺伝子での対応という

必殺カードを与えないためです。

それをするには規定の日にち薬を飲んで根絶やしにすることを

こころがけること。

 

それだけでもやつらが対応できるチャンスは必然的に減るのです。

必ずしも0にはなりませんが

耐性菌ができるペースは大幅に減るはずです。

 

でもこれって害虫とかにも言えると思うの…

と、なるとさゴ…(やめなさい)とかは根絶やし必須だよな。

そう思うと多少値段は高くても信頼できるプロって

必要なのかもしれないよね。

 

あとなんでペットを捨ててはいけないかも同様。

これもさ、世代が移っちゃうと対応できる

遺伝子が組み込まれるということなの。

そう思うと偉大だけどおっかないでしょ?

 

そして退化の部分…

今の人たちは…というけどそりゃあ使わなくなれば

劣化していくということ。

ほら、暗闇で生活していくとだんだん…

と一緒だと思うの。

 

…なんかこういうこと知ると

うかつなこと、できなくなるね。

 

おわりに

本文感想ではあまり触れませんでしたが

ある種の思想に対する批判が

結構ドストレートできています。

 

ある種の思想は、心のよりどころになる反面

盲信しすぎてしまうと目の前にある

「確定的であろう事実」までも否定する

危険な側面も持っているのです。

 

意外だったのはダーウィンはその批判すべき存在の

言葉から反論の際に引用したのを

後悔しているそうな。

 

だから肝心の提唱者ですらこれなのだから

あの思想の悪の側面って

根深いと思うんだ…