超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【そのかわいい少女には】那須正幹「ズッコケ㊙大作戦」

まだまだ暑さは続きます。

早くエアコンなしの生活にならんかねぇ。

 

 

 

 

那須正幹「ズッコケ㊙大作戦」

ズッコケ㊙大作戦
那須正幹

ポプラ社 1984年03月

by ヨメレバ

 

 

 

 

華麗にスキーをさばく少女は…

今回は三人組の前にぱあっときれいな少女が現れます。

ハチベエがスキーに行ったときに華麗に現れた少女。

一時の出会いだと思っていたら

なんと…!!

 

感想

この作品に関しては言えば、子供の時だけで

読むのを終えてしまうのは本当にもったいないお話です。

実をいうと大人の時代に読むと別の側面が見えてくる作品です。

 

子供時代に読んだ場合には

とびっきり別嬪な女の子に惚れてしまったモーちゃんの

恋焦がれるお話、といったものですが

大人になったときに読むといろいろ見え隠れしてくるんですよ。

 

それはところどころその少女に見え隠れする

他の子には見せない顔です。

 

なぜ三人組以外にはその顔を見せないのか…

実は彼女、というか彼女にかかわる人に

ある秘密が隠されているからです。

 

それは…子供時代にはまだわかりえないものでしょう。

ちょっとほかの家とは違うなぐらいで終わることでしょう。

 

だけれども大人になって読むと話は別。

ある秘密を抱えざるを得なかった少女のことを考えると

とっても切なく、やるせない気持ちになることでしょう。

 

しかも言ってしまえば、本人に罪は全くないのです。

だけれども秘密をうかつに明かしてしまえば

少女だけではなく危険が及んでしまうのです。

少女の最初の突拍子もないお話も

モーちゃんが知ってしまった本当の事実(これは読んで確かめてね)を

隠したかったのでしょうね。

 

だからこそ周りにあまり関われなかったのでしょう。

そう思うとかなわない運命となってしまった恋も

そうなのですが、少女のこれからも…ね。

 

おわりに

この作品はあまり感想を書くと

なんだろう、考えさせられることをスポイルする可能性があるので。

どちらかといえば大人向けだと思うのよね。

とってもとっても裏があるの。びっくりするほどにね。

 

著者はきっとパパやママになった彼らが戻ってくることを

想定しているのかもしれませんね。

その時にハッ、とさせられるのを待っているのかも。

 

なんかとげが刺さったまんまな作品だな…