朝起きたら雨の情報がえらいこっちゃになっていました。
本当に現地の方々はぜひお気をつけて…
長浜鉄道記念館 東京創元社 1989年08月01日
|
廣重の知られていない作品だと…!!
浮世絵と鉄道が合わさったミステリーとなっています。
しかも廣重の知られていないしかも「真作」とされているものが
どうやら存在する!!ということで手にしたテレビ関係職である朝比奈孝彦が
その真相を知りたいが故に巻き込まれてた事件です。
トリック的には殺人に関してはあまり…といった感じかな。
いわゆる鉄道が絡むトリックが魅力です。
感想
正直に言ってしまうと、ミステリーとしては弱めですね。
一人の浮世絵好きの男が廣重の浮世絵を巡ってかつて起きた
謎に包まれた事件を追及していく、といった感じの
ノンフィクション的(一応これはフィクションよ)要素が大きいかしら。
ただ、後が気にもある通りで著者はこの作品では
しっかりとした悪役を提示してきております。
現実に、物語を通した悪役たちが出てきていますしね。
いわゆる廣重の道のコレクションに群がり
それを独り占めにしようとするものや、それで莫大な利益を
得ようとしている人たちです。
ただし、莫大な利益を得ようとしている連中に関しては
浮世絵でもいわばアレな方面の方でカネを得ようとしたようです。
あれ方面は本編中ではさほどは触れられていませんが
現実世界でも好きな人は好きですからね。
私の家にもそれを紹介する本があったのですが
本格的に読む前に処分されてしまいました。
おいそこ、やましいとか言うな(笑)
そして、それを巡って13年前の事件の関係するものが
何者かによって殺されていたわけなのです。
この本の冒頭で遺体となって発見された人ですね。
で、必見なのは終盤。
この事件は一応結構規模のでかいものがバックに絡んでいます。
黒い連中たちも利権のせいで関わっていますしね。
まあ黒幕があくどいことに手を出してしまっていますし。
いわゆる犯行のいきさつも「未知の作品」の魅力に魅入られすぎたがために
行き過ぎた行動をとってしまったが故の殺人ですもの。
でも、本来は所有欲云々の前に
歴史の1ページとしてさ、事実を提示するべきでもあるんですよね。
べき、として限定してはいけないのだけれども
そういう事実が発見された、というだけでも研究畑の人たちにも
刺激になるじゃないですか。
まあ、残念だけどその関係者が今回絡んでいるのも事実なのよね。
でもその悪あがきもテレビ制作関係職兼生臭坊主の
朝比奈に見事に看破されてしまうんですよね。
そして追い打ちとして黒い関係者の要もたってしまうというね。
おわりに
人の醜さというのを感じる作品でしたね。
やはり未知の発見というのは、独り占めにしたいものなのかしら。
まあ、それがゆえに人間なんだろうけどねぇ…