超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

養老孟司 齋藤磐根「脳と墓 I」

無事に有酸素を終えてくる。

新たなたんぱく質源をリサーチしてくる。

体を再構築していくのは、面白い。

 

 

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養老孟司 齋藤磐根「脳と墓 I」

脳と墓 I
養老孟司 斎藤磐根

弘文堂 1992年03月01日 

by ヨメレバ

 

 

【感想】

人とは実に不思議な生き物だな、と時に感じます。

なぜならば、死を極端に恐れるからです。

そんな私も、恐れる人の一人ではあります。

 

 

たとい「命知らず」と周りから思われている人も

もしかしたら当人は死を恐れているかもしれませんね。

傍目からはそうは見えなくてもね…

 

 

さて、なぜ死を恐れるか…

きっとそれは体験したところで

語れる代物ではないからだと思います。

だって死んでしまったら元も子もない言い方をすれば

「おしまい」ということでしょう?

 

 

おしまい、ということならば

結局のところ脳が感知できる範囲でもありません。

つまりもはやその体は我々が脳内でコントロールできない

代物になってしまいます。

 

 

その機能が効かなくなった死体は

やはり、忌み嫌われるのかもしれませんね。

なぜならばそれはもはや人間「だった」もの。

人間じゃありませんもの。

そしてそれは生理機能すら失っているので

時間がたてば種々の腐敗を促進させる細菌の力で

ことごとく朽ちていくのです。

 

 

本中ではその死後の扱いに関してが

ここぞとばかりに挙げられています。

その中で興味深かった部分といいますと

「ミイラ」の部分ですかね。

 

 

キリスト教ではご存じの通り、

偶像を用いることが禁止されています。

ですが、どうやら宗派によって例外があるようで

教会のみで認められたケースがありますし

そもそも作っていたところもあるようです。

まあ、禁止されていても人の考え方なんて、いろいろですから…

 

 

それと驚いたことに、日本はミイラはあまりいなかったそうです。

おそらく、気候上適しなかったのでは?

とは思っていますが…

結構な確率、テレビ等で即身仏が出てくるので

多いのか?と思ったらそうでもなかったんですね。

 

 

あと、藤原氏の人もいわゆるミイラ的な葬られ方を

されたようですが…余り状態はよろしくなかったようで

そのミイラはネズミに食べられていたようです…

やっぱり死臭というのは生物を呼ぶものなんでしょうな…

 

 

その他には人が死んでから骨になるまでの

絵図が掲載されていたりします。

無論、死体を動物達が食べる描写も

はっきりと描かれていますし、

腐臭がする状態になった部分もしっかりと

描写があります。

 

 

人はただの「モノ」となる…

人がそれを嫌うのは

そのモノになることが想像できないからなのかも…