超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【その家には忌々しい事実が】高田崇史「七夕の雨闇」

ようやく謎の体調不良消えてくれた。

飲酒の際の適切な水分補給、大事。

特に下しやすい人は絶対。

(直近で飲んでないのにずいぶん尾を引きました)

 

 

 

 

高田崇史「七夕の雨闇」

七夕の雨闇
高田崇史

新潮社 2015年06月22日

by ヨメレバ

 

 

 

 

星のつく家で起きた悲劇

星祭家で起きた連続殺人事件。

一見すると複雑怪奇に思える事件でしたが

どうやらこの事件、毒が絡んでいるようです。

 

そしてこの家には

「七夕」に関する因果が

絡んでいたのです…

 

感想

基本的にQEDの本編を含めてもそうだけど

結末の読後は大変よろしくありません。

QEDの本編の最後もそうでしたしね。

(ただ救いの描写はあったけど…?)

 

このシリーズも無論その例にもれず

大変に読後感はよろしくありません。

途中に出てくる事実も超絶胸糞な代物で

人の醜さ、弱さを如実に表現していますので。

 

実はこの間、すごく問題作だと思うのですよ。

今回この作品中で語られるのは

「七夕」となっております。

 

ン…ともしかしたらここで思われた方は

いるかもしれませんね。

それは大変正しいリアクションです。

 

なぜ問題作かはこの作品の中盤で

この七夕という文字が変化するのです。

うん、別の漢字に。

 

その別の漢字が問題でしてね。

これはある種、ある運命を示唆するようなものではないかと

強く感じてしまったのです。

 

ただ、その運命というのは

悲しきかな、決していいものとは言えないんですよね。

それを念頭に入れてこの本の世界から離れてしまうと

何とも言えない気持ちになるんですよ。

 

それと、何かありそうなのが決定的なのは

事件が終わった後の描写。

うん、何かありそうだよ。

 

事件に関してはこの作品のテーマの「毒草師」に相応しく

ちゃんとトリックに毒は用いられております。

ただし日常では縁はないかな。

でも国内にではないにしろ、この毒があるのは

この本中のそれではないにしろ

知ってはおります。

(ただ本中のは作為的だけど、私が知っているのは本来のやつ)

 

その毒の目的がさらに悲しいものにさせています。

抗えなかったのかな…

血に刻まれていて、それが困難なものだったとしてもさぁ…

 

おわりに

この作品、読むたびにいろいろなことを知ることができて

世界は広がるけれども。

物語の真実に関しては鬱氏クラスなのよ。

本当に暗澹たる気持ちにさせてくれるし…

 

意味深な描写も出てきたので

本編のほうが気になってきたわよ…!!