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【妻の失踪は思わぬ事柄を…】土屋隆夫『赤の組曲/針の誘い』【一部読了】

新調した派手色スウェットを着ています。

体鍛えたらMサイズだとなんか変。

(一応これでもピークより少しやせています)

 

 



土屋隆夫「赤の組曲/針の誘い」

赤の組曲/針の誘い
土屋隆夫

東京創元社 2001年06月

by ヨメレバ

 

 

 

なぜ彼女は消えた?

出版社の部長の妻は何らかの事実を抱え込んだまま

謎の失踪を遂げてしまいます。

どうやら彼女は一人息子をひき逃げした犯人を

追い求めていたようなのですが…

 

しかしながらこれらの事件を追っていくうちに

連続殺人事件が発生するのです…

 

感想

今回の読書は『赤の組曲』と巻末のエッセイのみとなります。

なぜかといいますと『針の誘い』はすでに読んでいるからです。

なので今回は割愛させていただきます。

 

著者の作品は結末の部分がワンパターンとなっています。

非常に説明のしづらい、どす黒いものが露見するのです。

明確にここで言ってしまうと某巨大企業を怒らせてしまう

可能性も否めませんので言いません!!(忖度すな)

 

一見すると、これら一連の殺人事件に関しては

明らかなる復讐のテイストのように思えます。

しかしながら淡々と犯人に迫っていく千草検事は

やがてこの事件が一筋縄ではいかない、とんでもない事実が

隠されていることに気が付きます。

 

なぜならば、表面に見えている事実では

事件のつじつまがことごとく合わなくなってしまうからです。

 

そしてそれどころではなくて

ほんの少し関係していただけの人物までも

殺人の魔の手にかけられてしまうのです。

しかも悲しきかな、兄弟思いの青年が毒牙にかかってしまうのです。

 

そんな意外性のある事実が続いていきますが、

ようやく千草検事たちもその事実に気が付くんですよね。

そこで出てきた事実はね…

 

この作品は、丁寧なつくりなんですよ。

それがこの結末のあまりにも胸糞な展開を

カバーしてくれるのは救いだとは思うんですよ。

 

た・だ・し。

本当に内容は最悪です。反吐が出ます。

それとすごく元も子もない表現をしてしまえば

本当にフィクションと割り切って影響されないでほしいです。

思想がいわゆる蔑視表現大いにありだから。

 

救いなのは本当のラストかな。

ある人たちの描写が、その人が本当に

「ひと思いだった」ということを伝えてくれるから。

でも、卑劣な事件はその人間の命を無残にも斬り捨てたのです…

 

巻末エッセイは

何気にXXXの小話があります。

XXXの言葉の由来に関しての小話。

XXXですよ、XXX。

 

おわりに

人の醜さというか不条理を

見せつけてくれる作品が多いんですよね。

だからこそ最後に救われなかった命が際立つのです。

その理由は「まじめだったから」に尽きるんですよね。

そう思うと生前のある描写がしっくりくるんだよ…

 

嫌いじゃないけど後味はね…

 

おしまい