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【妄想だだ漏れ・その2】古野まほろ「探偵小説のためのヴァリエイション『土剋水』」

今日は買い出しに行ってきました。

明日はいろいろしてこないといけませんな。

まあ、本来の所に行く予定。

 

 

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古野まほろ「探偵小説のためのヴァリエイション『土剋水』」

探偵小説のためのヴァリエイション「土剋水」
古野まほろ

講談社 2008年07月 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 

 まーたこれですぜ。

珍しく私が一部ライトノベルよりも読みづらいと感じた作品です。

文章に非常に癖があるのがそう思わせてしまうんですよね。

だって、主人公の妄想があまりにもひどくて

作品の展開に支障をもたらすぐらいなのです。

 

一応百合的な要素もあるけど

ん、あかりってもしかしてバイなのかね?

 

感想

この裏切ることのなき読みづらさよ。

これはひどい、というのが誉め言葉になる作品なんですよね。

ある種その傾向は名前を出さないある作家(この人は読者バカにするから嫌い)や

カニバリズムを極めて昨年惜しまれながら亡くなった浦賀先生とかに似ているものが

あるように思えました。

 

今回はあかねはトラウマとなっていて長らく大会も出ていなかった

かるた大会に強制的に(!)出場させられる羽目となりました。

どうやら彼女にはこの大会にはただならぬトラウマがある模様。

それもおそらく彼女が持つ「水」の属性がもたらすものだと

睨んではいるのです。

 

大会に出たはいいものの結局彼女は災難に見舞われるんですよ。

対局相手その他の人たちを負傷させた冤罪に問われて

厳しい尋問を受ける羽目となってしまうのです。

 

まあその割にはあかねは妄想で現実逃避(!!)をしていたのもあり

コモの助けが入るまでわりかし精神は保ってはいましたけどね。

 

妄想が大層なことだだ漏れとなり文章に散らばっており

非常に読みにくいのですが、事件の真相部分に関しては

なかなかすごい犯行手段が使われています。

 

ただし手法としては決して真新しいものではないかな。

状況証拠消滅の手段としては最高です。

ですがその効能を活用するとはね。

 

一応この作品は陰陽師が扱われる都合上

実質犯人指定はあまり意味をなさないので

どのような手段を用いて犯行をなしえたか、

ということだけに念頭を置いて読むことをお勧めします。

それと、あかねの妄想をいかにして排除していくかという

テクニックも必要になるかもしれません。

 

そして物語が終盤になっていくと

また何か意味深な展開が見えてきます。

どうやらあかねが実予にくることになったのには

すごくでっかい何かが隠されているように思えるのです。

 

 おわりに

ただしこれでも1巻目よりはまだ読みやすくなっています。

それでも序盤に関しては妄想にいやおうなしに付き合わされるので

ちょっときついな、とは思いますが…

 

たぶん仕様ですね、諦めます。

 

おわり