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【追い求めなければ、知ることはできない】鄭春河「台湾人元志願兵と大東亜戦争」

ストレスフリーの日々を送っております。

このままずっと、ずっと続いてくれることを望むばかりです。

 2021/03/07/174121

 

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鄭春河「台湾人元志願兵と大東亜戦争」

台湾人元志願兵と大東亜戦争
鄭春河

展転社 1998年12月 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 知らなければ、見えてこないもの

特に戦前の事柄、というのは

日本という国が「敗戦」という事実を抱えている以上

悲しきかな、事実を歪曲されがち、ということは否めません。

 

元々はこのようなことは起きない、ことが前提条件でしょう。

だけれども、起きてしまった。

敗戦、悪いこと。それだけでとらわれがちですが

そこには色々見えてくるものです。

 

感想

著者はかつて、日本名を持つものでした。

今でこそ台湾の扱いが変わってしまいましたが、

彼はその中で、いわゆる体格のハンデをおしても

戦争に参加したという経歴があります。

 

そこで受けた事柄に関しては…まあお察しです。

まったく、人というものはどこまでもひどいものだと思わざるを得ません。

だけれどもそんな中でも、彼ら台湾の人たちに対し

真摯な対応をした人がいたことは忘れてはいけませんね。

もちろんこんなことは学校でなんか教わることはありません。

 

だってただただ侵略戦争というレッテルでしか見られませんしね。

挙句の果てにそれらに参加した人は「悪人」とまで言われます。

一部そういう事柄があったことは否めませんが

ごくごく一部であり、普通に従軍して、その命を散らした者たちは

その限りではなかったはずです。

 

あとは…この大東亜戦争に見え隠れする事実も

いまだなお、2021年現在でも解消されないものですね。

まあそれはかの国でのある人の振る舞い

(私はその人の言動からしても嫌いでしたが)所属を見れば一目瞭然でしょう。

 

結局のところ、根底はなかなか変わらないものなんですよね。

これは、いまだにある種の感化をされた我々も

変わらないとは思うのです。

 

重厚感のあるこの本を読んでいて

すごく考えさせられるとともに、

変わらないといけないと、とも感じます。

 

 おわりに

この手の本は非常に感想が書きにくいものです。

どこかしか昔のこと、関わりのないものということで

ふたをしがち、という点があるのでしょうね。

 

だけれどもかの英霊を祀るところの別の側面を知ることもできました。

そう思うとなお一層、大事にされるべきところじゃないかともね。

 

ちなみに、この本、少しだけ怪談があります。

ただし著者が体験したものはかなりハードであり

これに関しては本当に怖いな、と思いました。

そりゃあ不条理な理由で亡くなったと考えれば…

 

学ぶことは多かったです。