明日も体は休養。
ようやく足も腰も休める…
詩は友人を数える方法 講談社 1993年11月
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アメリカの地を、旅する
彼はアメリカを旅していました。
そこに詩を携えて。
様々な詩とともに、時折の出会いとともに。
その出てくる詩は、ただただ美しい…
感想
静謐…この本を読み終えたときに感じたことでしょうか。
彼の旅路を口出ししてはいけない感じを受けました。
そして、出てくる数々の詩たち…
その中には全く名前も知られていない人も紛れています。
なぜならば、ある程度名前は知られたものの
精神面に不安を抱えてしまった…の人もいるので。
詩は、その人を反映させます。
時にその中にはいわゆる人生を踏み外してしまったもの
いわゆる犯罪者も出てきます。
その犯罪者たちの詩も出てきます。
どういういきさつで彼らがその一線を越えてしまったのかは
知る由はありません。
だけれども詩はそんな彼らの心を吐露する
拠り所でもあるのですよね。
日本でも死を待つ者たちが創作活動をするようにね。
(まあこの刑に関しては議論があります。
無くせば無くしただけ、別の問題もあるでしょう。
それはここで議論するものではありません)
終盤のほうの旅に、
生き物を愛した詩人のお話が出てきます。
その生き物を見たときに、はっとしましたね。
その生き物の中には、空を埋め尽くすほど飛んでいたはずなのに
「人の手」によってあっけなく絶滅してしまった
ある鳥の名前があったので。
また、この章ではないものの、
人のあり方というものを教えてくれる詩もありました。
そしてアメリカという場所の本来の考え方にも
触れたものも。
今でこそあんな感じですが
もともとは先住民族がいましたからね。
その心からしても自然に畏怖を持っていたことは
理解できるのですよね。
この本に関しては未熟な私には
感想をかけるだけの技量はないようです。
間違いなく好きな作品です。
醸し出す世界観がね。
おわりに
文章+詩の形式で書かれた本はある種初めてかもしれません。
旅していく描写がとにかく素敵の一言。
そして、詩の訳も実によき。
出会えてよかった、と思いましたね。
また彼の世界、浸ってみたいものね。