明日も行くよー。
だんだんと体が元のような感じで絞れてきたわ。
バッキバキに戻すよー。
【感想】
考古学というものはまさに積み重ねの連続のような
研究をすると思うのです。
発掘された様々なもの、痕跡を見て
まとめていき…
歴史上の発見をすればそれなりに名は知られるでしょうが
かといってお金になるといえば…ノーのような気がします。
なんかそう思うと報われないですよね…
だからこそ、過去にあったあんな出来事が
起きてしまうのでしょうね。
詳しくは申し上げませんが…
これだけ目立たないとなると意図的な不正をしてまで
名誉を得たくなってしまったのでしょうか…
話を本筋に戻しますと
この本が書かれた年代は大変古く、戦前のお話です。
だけれどもどこかその文章には温かさと考古学への愛があり
あまり堅苦しさを感じませんでした。
それは私がこういう分野が好きなのかもしれませんが…
やはり発掘されるものにも地域によっては差異があったりするもののようです。
あるところは多いけれども、あるところではない。
といったようにね。
それを地道にまとめていく彼らの仕事はただただすごいなと思います。
よほどの根気がなければできませんしね。
ただ、この考古学は強調しますが地道です。
それがゆえにその功績が生前に認められなかった人もいます。
そればかりか、その人は病魔に侵されて先が短いのもあり
厄介者扱いされてしまったようです。
その人の病気は決して伝染性のものではなかったようですが…
そしてその成果が認められたのは死後…
地道な分野とスポットの当たらない分野というのは
本当に残酷なものだとつくづく思いました。
そして残酷、といえば戦争です。
著者は兵役により戦地に赴き
復員したのですがその体は悲しきかな、重度のマラリヤに侵されてしまい
内臓機能が著しく低下してしまったようです。
そして、戦後の大変貧しい時期に
さらに痛いことに、著者は愛する娘を
病気により亡くしてしまうのです。
あのフッと命が消えていく描写。
どれだけ著者は悔しかったでしょうか。
手を尽くしたくても、その体がゆえにお金もなく
特効薬を手に入れられなかった悔しさ…
最後に出てくる日記は
本当に身のつまされる思いをさせられました。
人が争うことは、本当にまともなことじゃないし
その爪痕は、あまりにも深すぎる…
考古学の面白さ、つらさ、
そして戦後の苦しみ。
ありとあらゆるものがこの本には詰まっています。