超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【言葉というものを得るまで】正高信夫『ことばの誕生』

 

この時間帯に参上。

さっさと片す。

 

 

 

 

ことばの誕生
正高信男

紀伊國屋書店 1991年12月

by ヨメレバ

 

 

 

 

言葉はどこから…

当たり前のように私たちは日々会話をします。

まあ時に人間ではなくて、うちのネッコたちにも話しかけたりします。

 

こうやってしゃべることは人間の特権かもしれません。

だけれども、ほかの類人猿にはそういう的なものはないのか?

と思われることでしょう。

 

ないわけではないのです。

 

感想

まずある種のサルの研究の涙ぐましいほどの地道さと

結局研究してもなかなか謎は解明できないという

涙ぐましさ。

 

この本は刊行年が古いので、今では解明されているものも

無論あることでしょう。

だけれどもまだまだ謎は多いと思いますね。

 

何せ彼らの使っている言語的なもの(ある種の鳴き声)を解明するのも

なかなか難儀な代物なのです。

まず声を収録しなければいけませんしね。

 

それとたとえ実験をしたとしても

恐らく研究者側の思うような結果は

まあまあでないんですよね。

 

その苦労も伝わってきましたね。

無論その原因がわかってからは

割とサクサクと研究は進んでいっていますが。

 

これらの声に関しては彼らにとって「危険な生き物」

を回避するために出している声だったりもします。

その声で一斉に逃げていくのです。

 

あと意外だったのは異種間での育児があると

別の種の子もその種の声を身に着けること。

ちゃんとそれをげする力もあることが実証されます。

 

そしてメイン項目である人間の乳児に関してですが…

これも本当に苦労しているなと思いました。

 

もちろん実際の人に協力をお願いしているのですが

声に関する実験をするときに

ついつい声をかけようと思う時期ではありがちですが

それは禁じられてしまうんですよね。

 

それがいかほどに大変かはわかります。

だけれども時として実験は酷なことがありますよね。

 

もちろん、これに関しても結果がちゃんと出てきています。

それと言葉を覚えるきっかけというのが

こういった研究の中にも見いだせるんですよね。

 

段階を踏んでその素地はできていくわけで。

本当この未知の時期の子たちはすごいよな。

 

おわりに

この本の中身は結構専門的なところまで

踏み込んでいるきらいが強いので個人的に印象に

残ったもの程度にとどめます。

 

ある本はいろいろ話題になって

賛否出たけどこの本はいたってまじめです。