超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【ひょうきんな悪人たち】ドン・ウィンズロウ『キング・オブ・クール』

 

用事があって出てきたら、ずぶぬれになりました。

ひええ。

 

 

 

 

ドン・ウィンズロウ『キング・オブ・クール』

キング・オブ・クール
ドン・ウィンズロウ

KADOKAWA 2013年08月24日

by ヨメレバ

 

 

 

 

彼らはいばらの道を歩む

彼らはひょんなことからある違法な物へと手を出します。

そのために、ときには危険な目に遭ったり、

無論違法なので警察の手へと落ちていったり…

数奇な運命をたどっていくのです…

 

感想

この作品は別の作品の前日譚的作品のようです。

だけれども単体で楽しむことは可能です。

今までに見たことのない文章を書く稀有な人だな、と思いました。

 

なんかぱっと見哲学の本かと思ってしまったわね。

こういう区切り方するの、存在しますからね。

だけれども彼らなりの「悪党の哲学」とも取れる記述があるので

間違ってはいない気がするのですよ。

 

この作品には違法薬物の香りがしみてきます。

最初はいわゆる葉っぱですね。

しかも良質のそれ、が彼らのスタートでした。

 

だけれども…だんだんとその違法薬物は

だんだんと利用量が増していくあいつに代わり、

最終的に日本ではほぼ出てこないあのあいつが出てきます。

(ただし逮捕時には使用の描写はありません)

 

この作品には数奇な運命をたどっている一人の人物がいます。

彼女はどこか浮ついていて危なっかしい少女でした。

実はこの人物、キー人物となっています。

(実は別作品のメイン登場人物)

 

彼女はあるものを追い求めていました。

それは未だ見ぬ父親の存在だったのです。

ついぞ突き止めることはできましたが実はそれは…なのです。

 

ちなみにこの彼女の物語は最終的に

ある重要人物とつながりが見いだされることとなります。

多分これが示唆することは次読む著者の作品はもうこの時点で

結ばさっていたのでしょうね。

 

こんなにテンポが良い作品は稀有だな、と思いました。

結構描写はあれですよ。

オセッセさん描写も生々しいのあるしね。

 

おわりに

それと感心した点として、私がこの世界の恐怖として挙げる

ある組織の描写が本当にリアルに伝わってくることです。

 

ここでは名前は出しません。(作中に明記あり)

だけれどもそのワードでうっかり調べると

かなりやばいものを見ることになります。

それぐらいにこれに関してはやばいの一言に尽きるところなのです。

 

なのであ、すごいと思った1冊でした。