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【依頼主は因縁の…】ジェイムズ・クラムリー『ダンシング・ベア』

 

なんか今日は本気を出した日でしたね。

そんな日もあっていいじゃない。

 

 

 

 

ジェイムズ・クラムリー『ダンシング・ベア』

ダンシング・ベア
ジェームズ・クラムリー

早川書房 1993年01月

by ヨメレバ

 

 

 

 

その依頼は…

前回とは打って変わって探偵業を引退(?)し

なぜか警備会社に勤めるようになったミロ。

なぜかって?探偵事務所を追い出されちゃったから。

 

だけれどもそんな事情を知らずに探偵としてのミロを

頼ってきた人がいました。

 

でも…

 

感想

今回はミロにとっては因縁の相手が依頼主となります。

なぜかって?

依頼主はかつて、ミロの父親の愛人だったからです。

 

だけれども、彼はそこまで依頼主は憎んではいませんでした。

 

依頼もへんてこな依頼。

ある男女の動向を教えてほしいというもの。

でもこれ、おかしいと思いませんか?

 

答えはイエスです。

もちろんこの以来の裏側にはとんでもないものが

見え隠れするのです。

 

まず追いかけていた人物はとんでもないものを

運搬していたから。

それはミロが耽溺していたものでもありました。

 

実は今回お酒の描写はさほど多くはありません。

その代わりにこいつの描写が多くみられます。

それはまあ数年前にある人が捕まっていますね。

…やっぱりミロは本当にいいところの坊ちゃんだったんだな。

 

そんな彼はその依頼がゆえに

複数の人に追いかけられることになります。

追っ手最大4人。

それから逃れるために今回は変装までもやってのけます。

 

そして心強い相棒までも出てきます。

時折置き去りにされてちょっぴり報われないこともありますが

この以来の裏側にある様々な悪を

この人とともにケチらせていくのです。

でも…

 

それと女性も出てきますね。二人も。

一人は最初に尾行をしていた人ですが

真実を聞く場面ではたいそうまぶしいボディーなんだろうな!!

という素敵な描写が見られます。

私もきっと見ほれるんだろうな…

 

まあこの作品の真実はあえては言いません。

勘の鋭い人は途中のある描写によって

もしや…と感じることができるはずです。

それを感じられた方、それが真実の一つです。

 

おわりに

今回この作品がよかったのは…

相棒が亡くなってしまう描写。

ほんの少しの描写なんですよ。

でも嘘…と感じるとともに悲しくなりましたね。

 

実はミロはそれに関して、後悔しているのです。

あるものに耽溺さえしなければ、死ななかったと。

そして真相部分で一連の事件で亡くなった人に対し、

黒幕に強く問いかけるのです。

 

確かに彼は酒クズだけど根はとっても優しい人なんだろうな。

そして、不器用でもあるよね。