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【新説を成立させるには…】パストゥール『自然発生説の検討』【再読】

今週は食べすぎの週だったわね。

まあ、明日なんとか行ける可能性が出てきたので

しっかり燃やしてくる。

 

 



パストゥール『自然発生説の検討』

自然発生説の検討
パストゥール

岩波書店 1970年04月16日

by ヨメレバ

 

 

 

 

当たり前の事実は、こうしてなしえた…

今となっては当たり前でしょ、と思える事柄があります。

この自然発生説もこの著書の当時には

まだ成立していたのです。

 

物質からは生物は成立しえない。

当たり前のお話ですよね。

でもこれが近代にいたるまで信奉されていたのです。

 

まあそこにはいろいろな事情もあります。

(ガリレオのあれと同じようなもんな!!)

 

感想

未知の発見をしたとしても、

それがきちんと実証できなければ事実は「事実である」

と成立させることはできません。

 

そのステップは膨大なものとなり、

数々の実験を要することになります。

したがって、そこには莫大なお金がかかるということです。

 

しかしながらこのパストゥール氏、残念ながら

予算面に関しては決して恵まれてはいませんでした。

まあ新たなものをなしえるって大体信憑性が築かれてないので

そんなもんだったりするんですよね。

 

なので彼は工夫に工夫をしてこの本中の実験を

なしえたわけなのです。

しかも敵(従来の説の支持者)がたくさんいるわけですので

発言の権限も決して強くはなかったでしょうに…

その苦労は想像に難くないです。

 

ちなみにですが、この本中にはもう一人

高校の生物あたりかな?名前を聞く人が出てきます。

ただし、高校のキーワードの人としては出てきておらず

この実験関係の人としてです。

 

本中ではシュヴァンとなっている部分がありますが

シュワン、と書けばわかるでしょうか。

シュワン細胞という言葉を聞いたことがある人はあるはず。

その発見者の人です。

 

一応再読ですがもしや…

と思って調べたらああ、やっぱりと思いましたね。

こういうとこをに気が付いて読んでいくのは面白いものです。

 

そして…有名(?)なあのフラスコも出てきます。

白鳥の首のようなあいつです。

当時は細菌等はまだ仔細にはわかっていなくても

何らかの要素が腐敗等を生み出すと考えたわけです。

 

つまりそういうのが遮断できるわけで。

というのを子どもの時の何らかの書籍で

図入りで読んだんですよ。

結構鮮明に覚えているんですよね。

 

結構この部分に関してはやはり古い文なので読みづらいですが

当時の大変さ、行程数の多さを

うかがえるなと思いました。

 

おわりに

彼の研究がなければワインとかも

安定して作られなかったかもしれないんですよね。

腐敗の原因がわかるだけでも

圧倒的損失を減らすことができるんですから。

(でも不思議なもので腐敗菌を利用する場合もあるのよ。不思議!!)

 

まあそう思うと畏怖の対象であるあの思想は

時として人間の欲を悪い意味で押さえつけちゃうのかもね。

でも、それは時に人間の闇を解き放っちゃうのも

考え物…人って勝手なものだよね!!

 

おわり