ちょっといろいろと届きました。
嗜好品関連が届いたのでいろいろ試し中。
大病院が震える日 光文社 1986年02月
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よくある構図が…
大きな病院…その組織の一番上に立つものは
莫大な権力を持ちます。
そして時は世代交代へと移っていこうとしています。
そんな理事長には二人の息子がいました。
一人は彼の実子。
そしてもう一人は…
愛人といえる存在に産ませた私生児…
あら、波乱しかないですよね…
感想
もうね、こんな構図で何もないわけがなかろうて。
しかも実子はもう誰がどう言おうとどうにもならないほどに
医者ではあるもののダメダメのダーメ。
その癖まあまあ父親の悪い点はしっかりと受け継ぎ
女性問題が山積。
しかも父親と同じことをやらかしちまったときたもんです。
ただし、このダメボンは実は父親である現台宗八郎よりも
救いようがありません。
これは後々触れますがどこまでも鬼畜です。
その一方で私生児であった村瀬信彦。
彼はいわゆる男やもめです。
妻はいたのですが物語開始時点で亡くなっています。
そんな彼は権力の権化の病院のなかでも
良心ともいえる存在でしょう。
利益には興味はなくあくまでも「患者を救う」ことに
命を懸けているのです。
そんな彼をよく思わないのは
ダメボンのほかにもいます。
ダメボンの金魚のフンの野田という男。
こいつも救えないやつで
この物語の舞台である誠心会に従うふりをしながら
裏でライバルになるであろう医療法人とつながっている
もう食えないやつです。
そしてこのフンは狡猾な言葉で
ダメボンがはらませた女性に子供をあきらめるような
嘘の情報を流してるんですよね。
こいつら、命を何だと思ってるんだよ…
そんなわけなのでこのダメボンは父親の悪いところしか
受け継いでいないわけです。
最後には自分の父親をも治療を放棄したのですからね。
こいつになかったのは「反省」なんですよね。
一方で父親の宗八郎は確かに元気な時代は狡猾でした。
だけれどもある人とのつながりに関しては
確実に反省をしていましたし、その人のおかげで
良心は多少はあったのです。
ちなみにその「ある人」は終盤のキーパースンです。
人柄もいい人間なのですが実はこの人は
「ある重要な要素」ゆえにその立場に甘んじているのです。
(まあ実際にリスクなんですよ、日本国内ではね)
終盤にはバカボンと金魚のフンの悪あがきゆえに
とんでもない事態が発生します。
ただし、こいつらはやりすぎましたね。
なぜかって?
規模がでかくなりすぎたから。
おわりに
この作品は残念、割と中途半端な終わり方となります。
なので確実都合のいい解釈しかできません。
でも言えるのは、悪いやつらは断罪されたに
違いないということ。
そしてたといこの業界は権力…とは言えども
純粋に人を救う心のある医師たちが
大多数ということは忘れてはいけないと思います。