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【暗い過去と、さらに奇怪な出来事】宮本輝「睡蓮の長いまどろみ(上)」

明日までノンストップ、自転車使うのは

今週天気がいい限り毎日!!

 

 

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宮本輝「睡蓮の長いまどろみ(上)」

睡蓮の長いまどろみ(上)
宮本輝

文藝春秋 2000年10月

by ヨメレバ

 

 

 

 

なんか波乱の予感しかねぇ…

主人公である順哉が結構な過去を抱えています。

なぜならば、彼の生みの親は生まれてすぐに彼を捨てて

出て行ってしまったからです。

 

少し調べていくと、その捨てていった女性は

その後医師と再婚をし、慈善事業を行っているのです。

主に学習の機会のない子供たちなどを支えるために。

 

順哉は亡き祖母から彼女のことは聞いており

何気ない風をして彼女へと接近していくのです…

 

感想

何だろう、明らかにおっかないことが起きそうなヨカーンしかないです。

このハードな事実のほかにも、

ハードな事件も起きます。

それは何かといいますとね…

 

順哉の目の前で、

職場にコーヒーを持ってきたうら若き女性(千菜という女性です)が

偽の注文で彼の職場に来たのち、

非常階段から飛び降りて死んでしまいます。

(その際に非常ドアに順哉は側頭部をぶつけ、負傷してしまいます)

 

そのあとになぜか彼の元に

亡くなったであろう千菜から手紙が届くのです。

しかも2通。

上記の通り彼女はこの世のものではありません。

 

そして順哉の個人情報を知っているのは

職場の内部の人のみです。

怪しいのは…

 

もう不穏な空気しかないこの作品。

この亡くなった千菜という女性もまた

順哉と同じように親に関係する何かがあったようです。

(彼女の場合は両親不在)

 

それと順哉には、ひとつ家族にも言えない秘密を

抱えているのです。

まあ、いわゆる病的な心理なんですよね。

心に「妄想の女性」を飼っているのですから。

 

そしてそれは千菜の事件から

だんだんと妄想の女性は

それへと変わるようになります。

(どんな妄想かはここではXXXになりかねませんので

書きませんよ)

 

まだ何もつかめないままに、

上巻は終了といった感じでしょうか。

おそらくですが、この千菜に関しても

なんかキーになりそうな予感はあるのです。

 

おわりに

何だろうね…よく振り返ってみると

この順哉の病的思想、どこかで破綻を

起こしてしまいそうな気がするんだよね。

 

まあ人はだれしも妄想は抱くよ。

順哉のようなやつは結構きついかも。

現実終盤の方ではそれがアレな(やばいやつ)ものへと

変貌しているんですからね。

(同僚からナイフをもらってから明確に)

 

これからどうなっていくんだろ…