超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【おそロシア、再び】小梅けいと「戦争は女の顔をしていない 2」

今日はようやく有酸素へと赴けます。

本日スペシャルデーだけどそろそろ控えないとむくみが一切取れなくなる…

 

 

f:id:misasaru:20191216092739p:plain

 

 

小梅けいと「戦争は女の顔をしていない 2」

戦争は女の顔をしていない 2
小梅けいと

KADOKAWA 2020年12月26日

by ヨメレバ

 

 

衝撃の作品、その2冊目。

この方の出会いはあるアンソロジー。

そしてこの2冊目も出ているのを遅ればせながら気づき

ようやく機会を得て読了にこぎつくことができました。

 

戦争は苛烈で、残酷で、人の人格を踏みにじる。

それに参加したものは皆、心に傷を負う。

だからこそ、やってはいけないことなのだと感じます。

 

感想

人が壊れていく描写というのは読んでいてつらく感じます。

ここに出てくる女性もそう。

みんな心には決してこれからも消えることのないであろう

深い深い傷を負っています。

 

その女性の中には戦争という業の中人を殺さねばいけない局面を

迎えることがあります。

その時の描写ときたら…

その敵の命は銃口の動き一つにかかっているのです。

そこに手をかけなければその人は死なない。

だけれども相手は敵、殺さなければ戦局は変わらない…

 

どれだけこれが残酷なことか…

どうしたかはわかることでしょう。

もちのろんのこと…そういうことです。

そのあとの心の揺れ動きの描写もまた…

 

終盤には戦車に乗った女性も出てきます。

そして、彼女たちにも女性の仲間たちがいました。

だけれども…

 

彼女を除き、みんな故郷に帰ることなく

その命を散らせていったのです。

 

そのうちの二人は片方は仲間を守るために、

そしてもう一人は愛する男性を守るために

自ら盾となり、命を散らせていったのです。

 

過ぎ去った時代にifなんぞはありません。

もしも人が欲にまみれた権力に流れることなく

このような不毛としか言えない戦いに

身を投じることがなければ…

 

もう老年となった彼女たちは

傷つくことはなかったことでしょう。

人並みに恋をし、結ばれ、次の世代を

つないでいたのだと思われます…

 

おわりに

この作品は女性の側面からの戦争です。

女性であることを奪われる部分…

そして仲間を目の前で殺され、弔わねばならないとき…

私はその苦痛をこの本という形式でしか知ることはできません。

 

これからもこんなことは起きちゃあいけないんです。

人の悪しき欲がこれ以上世界を蝕まぬよう…

願わずにはいられません。