超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【環境は…】クリス・コスナー・サイズモア,エレン・ピティロ「私はイヴ」

久しぶりの飲みデー。

たいへんよきかな。

 

 

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クリス・コスナー・サイズモア,エレン・ピティロ「私はイヴ」

私はイヴ
クリス・コスナー・サイズモア エレン・ピティロ

早川書房 1995年11月

by ヨメレバ

 

 

 

 

 彼女は、劣等感の塊だった

その当時の彼女は、彼女自身が「女性」だったことから

逃れられようのない「枷」にとらわれていたように思われるのです。

 

それは、彼女の取り巻く環境に起因します。

彼女の家系にはなかなか男児が生まれなかったわけで。

しかもクリス自身は、月満ちて生まれることができませんでした。

その結果は…

 

感想

私はこのような多重人格者や被虐待系のノンフィクションを

読むのを苦手としております。

なぜかといえば私もそうだからです。

長らく身内から精神的、幼少時には性的な虐待を受けていました。

 

なので著者の心情が痛いほど理解できるのです。

今はそれを脱却し、そういうのを武器にする身内に真っ向から反抗し

やっつけるまでになっていますがね。

 

幸いにも著者のように多重人格にはなりませんでしたが

心の中には別の人間がいるような感覚にはなります。

長らく家だけでなく、学校でもいじめにあった結果でしょう。

こういうことが本当になくなることを願わずにはいられません。

 

前書きにもある通り、著者はいわゆる被虐待で

多重人格を発症したわけではありません。

元からそのような環境がそろっており

幼少時の経験から、その引き金は必然的に引かれてしまったのだと

推測されています。

 

本中には明らかに退化する描写も見受けられます。

おそらく根底には彼女の下の子ばかりが

愛され、弱き彼女には何ら寵愛もされなかったこと。

「女」であったがためにどうでもいい子扱いも同然だったこと。

 

今の時代ならばこれらの事象は糾弾されてしかるべき事柄だったことでしょう。

だけれども、その当時はアメリカですら、

このようなことがあった時代なのです。

女性の地位はあまりに弱く、なおかつ月満ちて生まれえなかった

クリスにとっては残酷な環境だったわけで。

 

ただ救いだったのは、彼女の子供たちが

きちんとその人格を把握していたことでしょうか。

それだけでも救いだったはずですので。

 

 おわりに

おそらくこれ、ビリー・ミリガン読んでも私はへこむな。

一応被虐待ではあるからね。

洗脳されて、劣等感を植え付けられてたからね。

うちの身内の片方もろとも。

今は脱却したけどね。

 

本当に思うことは絶対に傷つく人を増やしちゃいけないということ。

それだけでもこの症状に苦しむ人は

絶対減らせると思うの。