ずっと雨が降っております。
明日は晴れるかしら。
掟上今日子の退職願 講談社 2015年12月17日
|
今回も待ち受ける、奇妙な事件
ふと思ったけれども、タイトルには矛盾がありますよね。
きっと彼女だと退職届を書いても、1日で記憶がリセットされてしまうので
意味がないような気がするのですよ。
今回はいつもの人たちはパートナーとしては出てはきません。
代わりに女性警官がそれぞれの事件に出てくることになりまs。
感想
まず、最初の事件からインパクトつっよ!!と思ってしまいました。
事件そのものに関してはまあまあレアなバラバラ殺人事件です。
まあ他作品でも見かけることは見かけますよね。
最初はよくある(?)ような普通の殺人事件のていをしているように
思われたのですが、どうもそうなると矛盾点が出てくるわけなのです。
そう、この事件にはただならぬ真相が隠されていたわけですので。
それと…3つ目の作品には彼女の調査を快く思わない
女性警官が登場してきます。
数少ない反掟上今日子派、を自負している人です。
ただし、嫌いなのは実は今日子さんの特性だったりするのです。
彼女はご存じのように1日で記憶が消えてしまいます。
また、それには「眠ると」の条件が付いているので
気絶してしまっても記憶はリセットされます。
それは2作品目の奇妙な転落死事件を扱ったときに
事件状況を確認したときに発動します。
そこで気を失う場面があったときに
リセットされているであろう描写がされていますので。
その特性を知っていていいことを言っちゃうのが
その警官にとっては許せないんだと思うのですよ。
彼女の特性は確かにデメリットだけれども
記憶が残る側のアプローチとしては印象深く作用しますからね。
ちなみにこの3つ目の事件はこれまた一見すると
資産家の老人を狙った絞殺事件のように見えてくるのです。
だけれどもこれ、ただの絞殺ではありません。
なんとなくベッドの特性から推測は効いたのですが
まさかそうやって事件が成立するとは思わなかったので。
でもその最後の部分の真相が刺さるものがありましたね。
たとえ思うような体にならなくても、
心は死んでいませんからね…
おわりに
いつものメンツがいないので、ワチャワチャする感じもなく
割と静かに終わっていく感じです。
まあこれはこれで、とは思いますが。
物足りなさは少々覚えましたね。
ところどころでこうなる前の今日子の過去をうかがえる描写が
ちらほらと見えます。
なんかすごい環境にいたのでしょうかね?