雨が続いておりますね。
それでも明日は何とか出る日になりそうです。
QED〜ventus〜鎌倉の闇 高田崇史 講談社 2004年08月 売り上げランキング :
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あんるぇ…?
読み続けていくと、なんとなく違和感を感じました、
この作品には何かが足りないのです。
ボリュームもそうなのですが、謎解きのあっさりさ。
でも仕方ないんですよね。
この作品は特殊な結末を迎えますので。
感想
この本は鎌倉に関しての歴史の部分の解説は非常にたけており
それ単体で本当に面白いのではありますが、
一応QEDシリーズは事件が絡んできます。
ちゃんと殺しも発生することはするのです。
ある会社での奇怪な殺人事件、という形でね。
しかもボスが失踪するというわけあり気で。
そしてこの作品、実はある事柄が起きてきません。
それがあるからこそ本編中で起きる事件には何らかの
動きが見えてくるのですが今回、それはないのです。
それには理由があるのです。
決して提示された事実には相違がない、ということだから。
その出来事は相違があるときにきちんと発動するんですよ。
だからこそ今回ほんの少ししか扱われない事件は
思わぬ形の展開をたどります。
なので読者が期待する形にはならないことだけは
お伝えしておきたいと思います。
…うん。謎解きに関してはこの作品に
期待を寄せちゃあだめということですね。
おそらくタイトルに別の冠がついているため
サブ的なお話、という扱いなんだろうなと思っております。
その代わりですが鎌倉に関してのタタル先生のありがたいお話(?)は
聞いていて本当に興味深いものがありました。
その立地がゆえに支障が出ていたりとか、
頼朝は実は栄華を誇っているように「見えていた」だけで
実のところはその陰にいる者たちによって
駒として扱われていたということ。
(それはだれかは…ほら奥さん…)
それに結びつけてなのかこの作品でちょっぴり出てくる事件にも
それらを彷彿とさせる表現があります。
何かおっかないよねぇ。
でも人って、どの位置づけであっても
極限状態になったら恐ろしいものよ…
おわりに
なんだかあっさりしすぎていたので
拍子抜けしてしまいました。
でも歴史に関しての解説は思わぬ事実を提供してくれたので
面白く読ませていただきましたね。
ただし、従来シリーズと比べちゃあ、駄目だ。