超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【みょうちくりんなお話】村中李依「かわむらまさこのあつい日々」

今日はなかなか温かい、どころか夕方も暖かいまんまで

今も続いております。

換気していてもこの調子よ。

 

 

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村中李依「かわむらまさこのあつい日々」

かわむらまさこのあつい日々
村中李衣

岩崎書店 1998年06月

by ヨメレバ

 

 

 

 

 えらいこっちゃ!!

絵本とかにみょうちくりんな作品は見られることはありますが

(絵本というのは子供にとっては大きな楽しみですもの)

児童文学でこの手のを見たのは初めてです。

タイトルもユニークなものになっていますが

これはちゃんと本編に関係していたりするんですよ。

 

うん、すごいね。じゃあ感想かこか。

まず、このあついという部分ですが

松●修造でないことだけは明記しておきたいと思います。

(伏字が意味ないとか、そこ言わない)

ええ、本当にあついんですよ。

うん。はい。

 

実を言いますとね…このかわむらまさこ(おかん)は

あるいきさつによって、まさにあつい状態となってしまうのです。

 

しかもやってはいけないこと(まあ不可抗力だけど)をしたがために

そんな状態に陥ってしまいました。

幸い、彼女の子供たちによってその災難の最悪の状態からは

逃れることができたのですが無論、ひどいことになってしまいます。

 

もうね、ここの時点で児童文学としてはヘヴィーです。

まあ、かわむらまさこおかんの子供たちも実は訳ありの子が多いんです。

ほんの少しだけ触れられていますがなかなかのものです。

 

それとその子供の一人にはいわゆるマイノリティ要素

(女性的なものに興味を示す)少年がいるのです。

彼はそれがゆえに同級生に馬鹿にされますがどこ吹く風です。

 

あとは…おかんは災難のために入院することになるのですが

そこでの一人の医師に関しても結構黒い要素はあります。

ただしおかんはそこでの不条理にも毅然と対応するのです。

 

それと最後の方にも意思が関係する大人の真っ黒なものが…

本当に文章には暗鬱なものはないのだけれども

内容はちょっとその年代の子にはヘヴィーなんです。

毒なんです。

 

そして、様々な人のかかわりとともに

すべては完結へと向かうわけでして…

 

 おわりに

感想を書くのが難しいへんてこな本でした。

でもこの本は明らかに「世の中には様々な人たちがいる」ということを

示している本なんですよね。

 

だってマイノリティ要素ありますし、いわゆる亡くなった兄弟の子を

引き取っている描写もあるし、

海外の留学生も出てくるし、それがゆえに日本の人が持つ

偏見も、いわゆるいじめ的要素も出てくるし。

 

特にかわむら家にホームステイするセーラという子に対する

時に出てくる振る舞いはよくやる人が多いけど

絶対にやってはいけないことです。

 

それを平気でやるということはその人を貶めるだけでなく

日本という国の品位も下がるんですよね。

いじめられた経験のある私からすれば、ああいうことをする人の

気持ちが知れませんが。

 

みょうちくりんの中には、考えさせられるものがある…

そんな本でした。

 

おしまい