超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【奇妙で不気味】大坪砂男「天狗」

もうじき年末ということで

愛用品の洗剤の詰め替えをババっとぽちりました。

なぜそれを使うかといえば市販の香り付きの洗剤使って

プロテインシェーカーに匂い移りしてオエってなったから。

 

あとハンドクリーム。何気に高級品はすごいよな。

朝と夜、洗い物やらで荒れた手をいたわります。

 

 

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大坪砂男「天狗」

天狗
大坪砂男

国書刊行会 1993年04月 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 なんという不気味さ…

ある種の時代の探偵小説には時に独特の不気味さを

覚える場合があります。

代表的なのはそういった小説の大家2名。

(どっちも関連Tシャツ持ってるよ!!好きだからね)

 

おそらくその時代はそういう雰囲気の作品がトレンドだったんだと

思いますよ、不気味さで読者をひきつける、というぐらいにね。

 

で、この作品もその時代の作品なのかな。

不気味さと、奇妙奇天烈な手法が印象に残りました。

 

感想

表題作からこの作品は飛ばしてくれています。

なんというかね、トリックを思い浮かべるだけでうへー、となってしまうのです。

しかも、作品並び順が表題作が最初なんですよ。

いっちばーんとか言おうとしたけどやめました。あの子が浮かんじまったやん。

 

この作品は女に足蹴にされた一人の哀れな男の

復讐物語といっても過言ではないでしょう。

まあ、足蹴にされた男というのは実に、実に惨めで

その女に向ける悪意のまなざしというのが本当に印象に残りました。

(女性に向ける罵倒がほぼほぼ出てきます)

 

で、そんな彼はとんでもない手法を使って復讐を見事遂げます。

なんというかね、えらいこっちゃな手段使って

女性を辱める(性的じゃないよ)殺し方をしているのです。

なんというかおっかないよな。持たざる者の怖さって

本当怖いよ。

 

それと、完全犯罪をなしえた作品というのもあります。

犯行の手段に消えるもので殺傷能力のあるもの

というのを使っています。

 

今ならばなんとか現場の状況を浮き上がらせる手法で

推測までは効くのですが

そのものはまず残りません。

現実、殺人事件ではないものの

これで死亡事例はあるので、侮れないものだったりします。

 

これが出てくる作品もまた不気味なんですよね。

著者の作品、ほぼ全部の作品といっていいほど

不気味で、狂っていて、おっかないんですよ。

その雰囲気はおそらく、登場人物がみんなどこかしら

「闇」を抱えているからなんでしょうけれども。

 

いわゆる有名どころとは違った感じで

癖があって、作風は面白かったです。

だけれども頭には入りづらいかも。

 

 おわりに

なかなか感想の書きづらい作家さんだったな。

面白い作風でこちらをひきつけるものはあるのだけれども

一種の変態的な要素があるからかな。

なんかまどろっこしい感じが。

 

嫌いじゃないのよ、ええ。

 

END