超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【これは結末がとっても…ね。】高田崇史「QED 六歌仙の暗号」

異様に暖かかったですが風が強かったため

今日はさすがに買い出しは回避となりました。

明日は絶対に行きますぞ。

 

  

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高田崇史「QED 六歌仙の暗号」

QED 六歌仙の暗号
高田崇史

講談社 1999年05月 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 ウヘァ…

最初の作品は良かったけれども、これは本当に賛否両論が出そうですな。

私は否寄りのほうになっておりますが。

事件への言及が結局タタルたちがしているわけではないので

黒幕たちを結果追い込んでいないんですよね。

 

それと出てくる事実というのがすべての事柄を

ひっくり返るようなものとなっていますので…

 

感想

この本、ページ数が結構えげつなくなっています。

まあそれでも文庫の武器といわれる某国内作家さんや

ラノベの武器になるであろうあの方や、海外SFのあの方よりは

ずっとずっとましな部類なのではありますが。

 

ですが、ほぼほぼ謎解きというか「七福神」の呪い、

そしてそこにつながる六歌仙に関することばかりで

犯人をしっかり追い込む、という観点は全くと言っていいほど

蚊帳の外になってしまっているのです。

 

まあ、こう書いている時点でおそらく結末はお察しです。

犯人は割と早い時点で出てはきます。

確かに奴らは悪人であるというのは紛れもない事実です。

「ある種のこと」のために殺人を犯したのですから。

 

でも、その事実は実は…なのですよ。

実は…の部分を明かしてしまうとさすがに本を読む気は

スポイルされてしまうでしょうからここでは明かすようなことはしません。

ですが、言えることはもはや殺人という行動が全く意味をなさない

そんなものになり果てるということなのです。

 

なぜそうなったかは…これには同情もできるものだと思います。

もはやその出てきている「真実ではない事実」というのはそれを否定できないほどに

根付いてしまっているのですから。

 

それがたとえすべてを知るものの力であったとしても

もはや犯人たちはそれにがんじがらめになってしまったのです。

なので不可避だったでしょうね。

 

歴史というものはとても大事ですし、

そこに秘められたものを紐解いていくこともまた、興味深いものなのです。

だけれども、解明されて必ず良いことをもたらすか?と言われますと

今回の事件のケースのようにそうではない場合もあるのです。

 

特に事件を起こした人に関しては。

疑うこともできず、なおかつその持ってしまった気質がゆえに

まわりにも気遣われておりノーと言える人はいなかったのでしょう。

なんというかそれは幸せであるとともに、不幸にもなるんですよね。

 

そして破滅に至る展開は…

本当、どこまでも救えない…

 

 おわりに

どこまでも救えない作品で、読み終えてため息の出るものとなりました。

切ないよな。

救われないミステリーも一つのテイストだけど

こういうのはできればあまり読みたくないところ。ジレンマだな!!

 

おわり。