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【心の窓は、開けられるの?】山中康裕「臨床ユング心理学入門」【再読】

まだまだ感染症の脅威は油断できませんね。

終わったのか…と思っていたらその感染数が増えていますし。

油断大敵。

 

 

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山中康裕「臨床ユング心理学入門」

臨床ユング心理学入門
山中康裕

PHP研究所 1996年11月 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 人の心は突き詰めれば突き詰めるほど…

※この本は旧サイトで紹介済みで、再読本となります。

人の心の中というものは、本当によくわからないものだと思います。

下手すれば、自分自身がよくわからない、ということだってありますし。

そして思ったほど自分がダメージを受けていない、と思っていても

冗談じゃない状態だってあるのです。

 

この本に出てくるものはきちんとすれば間違いのない治療法の一つでしょう。

ただし…この本が出版されてから時代背景はめまぐるしく変化していますし

今はSNSという爆発的な発信力を持ったものもあります。

 

やや研究途上のものもあるので鵜呑みにはしてはいけない点は

注意が必要でしょう。

 

感想

まず、私は一時期強烈に心身的に病んでおりました。

その原因は病んでいた当初、それを解決できた時期にも判明しませんでしたが

今ならば原因はしっかりと理解できます。

要するに当時はまだそういう概念がない時代で

自分を出すことがうまくできなかったわけでして…

 

そのおかげからか、今はそういうことを抑圧しなくてもよくなり

それで病むことはなくなりましたね。

時代の変化には感謝ですよ。

 

あともう1つは…アレです。あれ。

最悪死亡者が出てしまうあれの被害者でした。

ただし死亡要因になってしまう方ではないやつです。

本当にこれに関しては苦しかったです。いわゆる洗脳状態に貶められていましたし。

 

ちなみにこの本中にはそういった被害者のカウンセリングの記録は

出てきてはいませんが、本中に出てくるメインとなるユングと同じような境遇の

いわゆる家庭不全の人の絵画療法の記録は出てきます。

 

彼女は読んでいる限り家庭にはどこにも身の置き所がなかったのでしょうね。

それゆえに体が自らを守るがごとく、蕁麻疹というような

状態を作り出してしまったということ…

 

ちなみに絵画療法とて実は荒療治でもあって

それを行うことにより一時的に症状が悪化することがあるのです。

ただし、それで治療をやめてしまうと…いわゆる希望の光の一筋を

積んでしまう可能性もあるのです…判断の難しいところですよね。

 

その絵画による刺激を受けた後に見える光を

つかみ取り、その患者さんが抱える闇を拭い去ってあげられるか…

それはそれを指導する医師の裁量もあるのでしょうね。

医師とて人ですので相性もあるでしょうし…

 

ちなみに今回のタイトルについている「窓」ですが

これは後半に出てくる躓いた子たち…いわゆる「不登校の子」に関してです。

今だと例の子が出てきますがあれも一種のそういった子でしょうね。

多分あの子は現状あの環境じゃ闇を拭い去ることはできないと思います。

蜘蛛の糸に絡みつく前に脱却できるといいんですけどね…

 

ほとんどの子たちは、適切な対処を受けることで、その窓を

開けることができるとされています。

いわゆる医師の方がそれを後押ししてあげる感じでしょうか。

 

だけれども、2割程度の子はそれができないといわれています。

その窓を開け放つエネルギーすら、なくなっているのかもしれません。

 

それと著者は学校の限界を提言しています。

これはそうだと思いますよ。私の時代ですらいい加減な教師がいて

実質そのせいで嫌な目に遭いましたし。

小・中に関しては二度と関わった生徒・教師たちには会いたくもありません。

 

 おわりに

なんかこの本を読んだ縁があった気がしますね…

昨日もさらに吹っ切れられることがありましたし。

まあ、このことに関してもいわゆるエビデンス的には…でしょうしね。

でも、それで証明できない心の動きというのは人の中にはあるのではないでしょうか。

 

心理学と聞くと難しいイメージがありますが

この本は読んでいてもうーんとなることが少ないですし読みやすい本でした。

 

おしまい

忌々しい過去よ、さようなら。