超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

【今には則さない】氏家幹人「サムライとヤクザ」

とてつもなく、目が閉じそうです。

ですがしらふです。ええ間違いなくしらふですってば。

今日も隙あらば飲もうと思いましたが、言った先の品ぞろえを見て

靡かなかったので終了しました。

 

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氏家幹人「サムライとヤクザ」

サムライとヤクザ
氏家幹人

筑摩書房 2013年03月 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 はじめに。

まずこれは押さえておいてほしいのですが、時代には則さない本です

いわゆる男像をメインにとらえており、決してそれが今には

そぐうものではないからです。

 

よって、女性の方には読むのはつらいものがあるでしょう。

一部(?)ちょっとだけ興味深いものがあるといえばあるのですが

決して妄想するような、きれいごとのようなものではありませんので

やっぱり読書時注意ですね。

 

感想…

正直、私は読みづらいな、と感じました。

なぜそう感じたかというとまとまりがない、ということですね。

読んでいてうーん…と感じるものが多かったです。

どうしても「男性像」を語る本だけあって

いわゆる男がー、敵な考えになりがちだからかも…とも思うのですが。

(なお、私はそういう思想は持ち合わせておりません)

 

サムライの部分ではいわゆる男が、男であるが故の

男色、いわゆる衆道に関しての見解が出てきます。

何かとこれらに関しては性欲という観点で見られがちなのですが

そこには一種の成長儀礼という意味合いもあったのではないかと

思われるのです。

 

ちなみにサムライの時代から、近代へと移る際の過渡期に

残念ながらその男らしさとは無縁のある有名人がいました。

いわゆる虚弱体質がゆえにそういうのとは無縁だったわけです。

「男らしさ」とはね。

 

だからその方はそういったものを嫌悪しているのです。

その気持ち、すごくわかるよねぇ…

世の中にはその体質がゆえにらしさを全うできない人もいるのですから。

ちなみにその男色あらたかな環境になったのには

また有名な方が絡んでいるんですよ…

 

そして、後半になるとヤクザの部分が出てきます。

外国の文献でも何かと美化されがちなきらいがあるのですが

実情というのはやはりかかわっているしのぎの都合上

決してそこにきれいさ、気高さというのはないんですよね。

 

むしろ人という生き物の一番くすんだ部分が見え隠れするんですよ。

彼らはそれらを扱っていて、なおかつ荒くれもの。

なぜそこに仁義が存在するのか、といえば

そういった約束事がなければ、統率なんかあり得ないからなんですよね…

 

それだけいわゆる「普通の人じゃない」ということで…

 

まあ、遠い昔のお話ですがそういう関係者のお話を

小耳にはさんだことがあります。

やっぱり乱暴者なんですよね。

関わりたいとは決して思いませんでした。

 

 おわりに

もう、これらが礼賛され続けることはないと思いますよ。

それが寂しい、と思われる方も一定数いることでしょう。

でも…それがある限り結局のところ安寧ってないと思うのですよ。

傷つくものが出てくるからね…