別に新型コロナウィルスの影響ではないでしょうが
本を買う機会が増えました。特にコミックですね。
あらゆる活動ができなくなった今、貢献できる手段は限られますし。
雑草譚 KADOKAWA 2020年03月26日
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その感情はどこかとげがある…
百合作品はここでは公開はしていないのですが何冊か読んだことがあります。
基本いわゆるR-18の無理やり系でさえなければどのジャンルでも割といける
人間ですので。
この作品に漂っているのは何とも言えない多感な時期のみずみずしさと
そして多感な時期だからこそ敏感な少女たちが時に見せるとげとげしさ。
時折、嫉妬のドロドロさ。ある「自分を持つ少女」を中心にした
こちらに対する訴求力の高さに驚かされる作品です。
感想ですよ。
これはTwitter経由で作品を知ることになりました。基本私は新刊系は
SNSでお、と思った作品を買うようにしています。この作品もその1つとなっています。
作品中には植物が絡んできます。最初に出てくる作品は
ある植物によって少女が付いていた「嘘」というのが露呈してしまう
ちょっとダークテイストな作品となっています。
いわゆるその嘘を露呈させてしまった少女は承認欲求の塊なのです。
つまり、周りを煽動しなければ何もできない、ある種あざけって言ってしまえば
「中身は実質空っぽの子」なわけなのですよ。
それを論破した子はミステリアスな転校生。彼女はある理由によって
転校する羽目となってしまいました。そう、今も社会問題になっている
「いじめ」で。
おそらく人はその黒髪の少女を「周りに迎合しないからだ」と批判するのでしょう。
果たして、無理やり迎合することが「いいこと」なのでしょうかね。
その大多数の意見というのが「明らかに悪いこと」でも…
そしてほかの作品には煽動する少女ばかりではなくて
自分を何にも持っていない、一見するといい子に見えるけれども
これまた「いい子だけしかない中身が空っぽ」な子が出てきます。
自分を持つ少女はこの子も論破してしまいますね。
要するにいい子だけ演じて、何にもないということをね。
無論この本中にもまたもやいじめ行為というのは出てきます。
ロッカーの中に墨汁を入れられるというやつが。
ただ、これらの一連の犯人というのは実は明言はされずに終わるんですよね。
そこの根底にはその黒髪の自分を持っている少女をうらやましいとは思っても
好きであっても、そうはなれない悔しさというか嫉妬心が先に走ってしまう
やるせなさもあるのだと思いますよ。おそらく百合要素はここにあるわけで
この作品にはいわゆるそういった作品にはありがちな甘い要素はありません。
好きだけれども、歩み寄れない…そのもどかしさが
また違った感じの甘酸っぱさと切なさを感じさせてくれるのです。
読み終わった後に、キュッとするような感じになったのは
いうまでもありません。
おわりに
このブログでの初めての百合作品でした。
しかもストレートではないタイプのやつです。
こういうのも、間違いなく百合なんですよ。ええ。
ちょっと百合作品いろいろ探ってみようかしらね。