超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

江戸川乱歩「湖畔亭事件」

AirPods Proがやってきました。髪を切ったら貫通式受けてきます。

きちんと遂行できれば残りは1回になるのですよ。

 

 

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江戸川乱歩「湖畔亭事件」

湖畔亭事件
江戸川乱歩

東京創元社 1995年08月18日 

by ヨメレバ

 

 

 

 

 悪夢の世界へとようこそ

過去に著者の作品は数作品ほど読んでいます。一時期確かにミステリーばかり

異常なほどに読んでいましたからね。(ただしメインは海外有名どころ)

その中の数冊に、著者の作品はありました。こちら再度でも再読も含め

取り上げては行きたいところですね。

 

さて、著者の本というのはなんというか

一種不思議なテイストを醸し出していると思うのです。

いわゆるその物語中には、普段私たちがひた隠しにしている

ちょっと秘めたい趣味嗜好」が頻出してきます。

例えば密かに他人の行動をこっそりのぞき見したりとか、

どうも恋愛では様々な人間を演じてみたりとか…なんか興味をそそりませんか?

それが著者の作品の醍醐味なんですよ?

 

では、感想も書いていきましょう。

この本のあとがきにもある通りでこの作品の表題作はいわゆる不思議系の色が強く

著者の専売特許ともいえるエログロナンセンスはあまり表には出てきません。

まあ、後半に多少その要素はあるかな?程度でこのあとに出てくる「一寸法師」

よりはその要素は控えめとなっています。

 

ですが、やはり何と言いましょう、秘められた人の本能が表面化し

暴走していくさまというのは見ていて一種の気味悪さを感じてしまいますよね。

主人公は浴室を特殊なのぞき穴を通して垣間見ていくんですけどね…

うん、今の尺度で行っちゃあ犯罪だよ。(ただし主人公の男はそっち目的は少ない模様)

 

そしてその趣味がアダとなって殺人現場を見てしまうのです。

何せ女性が殺されてしまうんですからね…

ただし…その事実は物語が進んでいくにつれて

だんだんと揺らいでいくことになりますし

思わぬ事実が終わり付近になりますと出てくるんですよ。

 

これが著者の作品の特徴。

だから本当に著者は、大衆を楽しませるための作品を書いていたんだなと

この何とも言えぬ展開で感じるのです。

しかも勧善懲悪ものでないというところも。

 

あ…こちらも紹介しておきましょうね。

2つ目の作品は私がおすすめする作品です。

エログロナンセンス要素ばっちりなので苦手な人はそもそも手に取っちゃだめだねー。

いわゆる死体切断描写があるからね。

 

この作品はカメレオンのような作品といってもいいと思います。

本当にころころと事実が変わっていき読者もそれに翻弄されて

なんだかワケワカメな状態にされていく感じです。

 

それを強烈に感じてしまうのはその事実が出たときに

すべてがなんてこったいになる終盤でしょうね。

おいおいマジですかとなることは請け合いです。

ただ、ミステリーを読みなれている人はああそう、で終わります。

 

最初から最後まで気味の悪い雰囲気をずっと出し続けており

人の醜さというものをいやというほど痛感させられました。

でも、一応救いはあるのは著者なりのやさしさなのかもなぁ。

いや、その方が盛り上がるからかな。

 

 おわりに

乱歩ワールドというのはまさに人間の暗部のオンパレード。

いやというほど隠れる部分というのは人を感じさせるんですよ。

うわぁ、気持ち悪いといいつつも読んでしまうのは

それがあるからかもしれませんね。

 

おしまい。