超雑読と趣味と

乱数の女神の子らしく、誇らしくありなさい。

田中喜美子「母子密着と育児障害」

物事がつかみきれないということがあります。

以前はそれが起きると怒り狂う時もありましたが

今は、「ま、様子見るか。」で終わります。

心もハッピーハッピー。

 

 

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田中喜美子「母子密着と育児障害」

母子密着と育児障害
田中喜美子

講談社 2004年05月 

by ヨメレバ

 

 

 

 いまだに変わらない「子育て問題」

いわゆる傍目の視線からすれば、私も「お前が言うな」的な立ち位置に

立つのかもしれませんね。信条上、私は子供をもうけることはありません。

だから何を!!と思われるのは至極当然なことであり

その声を否定することはできないでしょう。

 

だけれども、この本が書かれた15年以上たっても、根本的な問題は

何一つ解決しておらず、母親たちはなお一層追いつめられているように

思えてしまいます。

 

SNS上でもよく「夫が育児に協力してくれない」といった声をよく聞きます。

それを見るとどうしてそんなことができるのだろう?と感じてしまうんですよね。

なぜなのでしょうね。

 

 では、感想をば。

最初に述べた通りで、私は育児に関与することはありません。

今も、これからもそれは不変だと思われます。自信がないというよりかは

確実に子供というものに悪影響を与えかねない、そして今のこの現状では

果たして健全な育児をできるのであろうか?ということ。

 

この本では最初に「子ども」というものの定義の違いが述べられています。

「つくる」のではなく「授かる」ということ。

これはごもっともなお話だよな、と思います。

どんなに良く「授かる(便宜上、こう記述させていただきます)」方法を用いたとしても

人間の体というものは実に不思議なものでそれをしてすら

授からない場合もあるわけで。

 

で、子供にも母親にも良からぬ影響を与える「決めつけ」という悪魔が

この国、残念ながらはびこってしまっているんですよね。

これは実際、私もこの鎖には何べんも苦労をさせられました。

いわゆる教育の現場の枠に私は入ることは全くできず

「落ちこぼれ」「ダメ人間」という残念な子であったことは事実です。

 

その枠に入る、ということを頭ごなしに否定はできませんね。

そこには教育に携わる者のただならぬ環境の悪さもあり、そうしないとたちゆかない

という考え方もできますからね。

 

だけれども、そういった背景を認めるにしてもこの何とも言えぬ統一を

強制する方針は枠から飛び出し宇宙空間にでも突き抜ける私のような人(?)には

到底理解できないんですよね。人っていう存在がいれば違うということは

当たり前なんですもの。

 

話はいろいろと脱線してしまいましたが、ここに出てくる育児の方法は

もう今の子どもをやたら密着する育児とは正反対のものです。

もう逆も逆。子供時代の武器である「癇癪」「泣く」に関して

とことんまでに無反応を貫くのですから。

 

これは読んでいて非常におっかないなと感じたのですが

この時代の子どもでさえ、「それさえ使えば意のままに操れる」という

心を持っているのです。

 

つまりそれを無条件に受容した場合は結局手のかかる子に育つという危険性が

あるということなんですよね。

子どもは無垢の象徴とも言われますが本当、とんでもないです。

この時代から計算高くあるんですよね。

 

でも本来ならば豊かになる前というのは

これが当たり前だったんですよね。子供に手をかける暇なんてない。

だから愛情は注いでも、不条理なこと(泣くことによるわがまま)には

手を貸さなかったわけで。

 

でも今は母親が何でもしてしまうとなると…

そりゃあ考えない子も増えるわけですよね。

それを母親に押し付けてしまうのもいささか気が引けるのですが。

まあ、それらに関してはSNS等でも言われていますので。

 

そして、それを解決するのは皮肉かな「自分で物事を考える」しかないんですよ。

今、惰性で物事に流され、事なかれ主義の人が多い中

それが望めるかといいますと、ノーという印象しかないんですよね。

でも、どこかで絶対に食い止めていかなければなりません。

 

なんかすごく暗くね?

人というのは最悪の事態というのは得てして、見たくないものです。

でもね、この本はもう15年も前に出ている本なんですよ。

でも現状その結果は変わりはしていないしメディアがあおるのもあって

そういった事柄は目に見えるようになってきてしまいました。

 

じゃどうするということですが、どうすればそれを解決できるのか。

段階を追って自分で考えていき、どうすれば改善につながるかを

政治参加を含めてアクションを取っていくしかないですね。

それの蓄積しか、改善できないんですよ、複合原因の問題に関しては。

 

おわりに

なんか暗い本ばかりが続きましたね。ですが、こうやって危険を提唱する本というのは

時にいろいろな発見を提供してくれるから嫌いではありません。

それが、たとえ、私とは無縁であってもね!!

 

おしまい!!