今日は新たな試みを兼ねてみようと思っております。
さて、どう出るのかしら?
戦争は女の顔をしていない 1 KADOKAWA 2020年01月27日
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最初に
著者を知ったのはかつて私が遊んでいたブラウザゲームのアンソロジーでした。
そのあとでちょっと大人な有名作品を書いているのに
気が付きました。(シチュエーション的に面白い)
そして今回、この本は購入本となります。
連載元のサイトで1話目を読ませていただき、面白い!!
と感じたので購入させていただいた次第です。
感想
読んでいて、心からあふれるものがありました。
やはり戦争というものは恐ろしいものだ、ということ。
この作品では戦争にかかわった「女性」にスポットがあてられています。
日本では兵力として女性が徴兵されることはありませんでしたが
このロシアでは違いました。
それぞれの話の前に名前と当時の軍属が書かれるのですが
その中に複数例、狙撃兵というケースが見受けられるのです。
これ、誤字ではないですし、誤表記ではありませんからね。
間違いなく狙撃兵、です。
実際に人を殺す描写も出てくるのです。
はじめは確かに殺したことにただならぬ自己嫌悪に陥るのですが
それが戦争が激化し、それに次ぐ人を殺していくうちに
その感覚ももはや鈍化してしまうのです…
人の「慣れ」というのは人が成長する自覚を得るものなのですが
こんな慣れ、本当に必要のないものだと思いますよ。
人を殺すことが慣れ…もはや異常事態なんですよね。
さらに、女性としてはまれな職務に就いた人もいました。
なんと飛行機乗りなのです。
これも表記違いではありません。本当のお話。
こんな作品中で言うのは間違っているかもしれませんが
本当におそロシアだよ…
最後のお話はほかの作品に比べると
さほどシリアスでないように感じてしまうかもしれません。
軍というと男性のイメージが付いて回る以上、彼女たちもそれに従わざるを
得なかったわけでして女性である彼女たちにはそれは、
屈辱だったに違いありません。
でも、戦争はその「当たり前にできる、何気ない日常」を
あっという間に非日常に変えるということ…
この作品の最後に、印象深いシーンが出てきます。
そう、今こうしていられることは平和だからこそできること。
当たり前のことを妨げられないのも…
おわりに
この作品を購入したことは損がなかったです。
著者の代表作である「狼と香辛料」のコミックスは読んだことがないけど
もともと好きな絵柄だったので読むことができてよかったです。